株式会社THIRDが新機能を発表
最近、AI技術の進化により、さまざまな業界で業務の効率化が進んでいます。そんな中、不動産や建築業界向けのAI開発を手掛ける株式会社THIRDが、AI自動見積査定システム「工事ロイド」に新しい機能を追加したと発表しました。この新機能、「見積明細自動データベース構築機能」は、過去の見積データを詳細な明細行ごとにデータベース化し、ビッグデータ分析を可能にします。この革新的な機能は、査定業務の標準化と効率化を実現し、これからの工事見積業務に大きな影響を与えることでしょう。
新機能の概要
「工事ロイド」は、73万以上の型番を網羅し、最新の部材の卸値を常に更新するデータベースを駆使しています。このシステムは、AIによる機械学習を利用して工事の適正価格を査定しますが、今回新たに追加された機能によって、実際の工事発注時の見積も過去のデータを明細ごとにデータベースに蓄積し、ビッグデータを活用した分析が可能になりました。
この新機能により、物件別や協力会社別、日付、物件所在地、工事項目、キーワード、価格帯など、さまざまな検索条件で過去の見積データを迅速に分析できるようになり、従来属人化しやすかった査定業務を標準化・効率化できます。
開発の背景
これまで多くの工事発注者は、過去の見積データを社内の共有フォルダで管理してきました。しかしながら、効果的な検索機能が欠如していたため、膨大なデータの参照には多くの工数がかかり、査定結果にはばらつきが生じていました。
「見積明細自動データベース構築機能」は、過去の見積データを多種多様な検索条件で効率的に参照・分析できるようにすることで、これまでの課題を克服します。今後は、AI自動見積査定機能による最新部材卸値との比較に加え、過去データとの比較分析が可能になるため、正確な査定ができるようになります。さらに、査定範囲が設備工事だけでなく建築工事や一部の労務費にも広がり、多種多様な工事案件に対応できるようになります。
効率化の成果
この新機能の導入により、査定作業の工数が大幅に削減されることが期待されます。査定内容の標準化が進むことで、業務を効率的に進められ、少ない時間でより説得力のある査定を行えるようになります。これにより、業務全体の生産性の向上にも寄与します。
「工事ロイド」の全貌
AI自動見積査定システム「工事ロイド」は、73万以上の型番を網羅するデータベースを利用し、常に最新の卸値を提供しています。このデータベースに基づいて工事の見積もりを一行ずつ解析し、適正価格を査定します。また、このシステムは査定後に工事の発注を支援する機能も備えており、現場監督や発注者にとって非常に便利なツールとなっています。
会社紹介
株式会社THIRDは2015年に設立され、AI技術を活用したサービスを展開するスタートアップです。ゼネコン出身のメンバーが集まり、建築業界に特化したコスト削減のコンサルティングを行っています。現在では、工事のコスト削減を実現する「工事ロイド」、不動産管理の効率性を向上させる「管理ロイド」など、一連のAI-SaaSソフトウェアを開発・提供しています。
東京都新宿区に本社を構える同社は、建築業界向けAIの受託開発や、金融業界・製造業界向けのデータソリューションを通じて、さらに多くの業界でのデジタルトランスフォーメーションを支援し続けています。