銀座 蔦屋書店で個展開催! 大川心平が描く「乾いたパンと濡れた羽」の世界
銀座 蔦屋書店(東京都 中央区 GINZA SIX6F)では、アーティスト大川心平による個展「乾いたパンと濡れた羽」が、店内FOAM CONTEMPORARYにて2024年7月20日(土)~8月7日(水)の期間に開催されます。
大川心平は、2009年に東京藝術大学大学院美術研究科油画を修了し、日本だけでなくアジア諸国で精力的に活動を続けるアーティストです。自身の記憶や日常風景の中で見出された誰かの痕跡、またそこから呼び起こされるイメージや画家として影響を受けた美術史の断片を組み合わせ、緻密で多層的な情景を描き出します。描かれるモチーフは、できる限り無意識下で選択することで、自らの発想を超えた作品へと昇華しています。
本展では、2枚1組のキャンバス作品シリーズの新作を発表します。2枚の上下左右を入れ替えても一つの作品として成立するよう構成されています。制作の過程で調和と混沌を繰り返しながら連結し、ひとつの作品として時間の経過やそれに伴う変容、多角的な視点を表現しています。
上下左右で変化する、時間の流れと多角的な視点
大川心平の作品は、一見すると静かで穏やかな風景画のように見えます。しかし、そこに描かれているのは、記憶や時間、そして多角的な視点によって複雑に絡み合った、奥深い世界です。
本展で発表される新作シリーズは、2枚のキャンバスを上下左右に組み合わせて鑑賞できるという、ユニークな作品です。それぞれのキャンバスは独立した作品として成立していますが、組み合わせることで新たな構図が生まれ、時間の経過や多角的な視点を表現しています。
たとえば、「掘り起こされた目は語る」という作品は、2枚のキャンバスを組み合わせることで、時間の経過によって変化していく風景を表現しています。一方のキャンバスには、鮮やかな色彩で描かれた風景が、もう一方のキャンバスには、モノクロで描かれた同じ風景が、時間の経過によって変化した様子として描かれています。
日常の中に潜む、記憶と時間の断片
大川心平は、自身の記憶や日常風景の中に潜む、忘れかけていた記憶や感情を、作品の中に描き込んでいます。
「乾いたパンと濡れた羽」というタイトルは、作品に描かれている、鳩が休んでいる倉庫の屋根や、焦げて乾いたトースト、そして雨が降ると濡れる鳩の羽など、日常的な風景や物事をモチーフにしています。しかし、これらのモチーフは単なる風景や物事ではなく、作者自身の記憶や感情と結びついた、象徴的な存在として描かれています。
無意識と意識の境界線を越えて
大川心平は、作品を制作する際に、意識的にモチーフを選ぶのではなく、無意識に浮かび上がってくるイメージをそのままに作品に落とし込んでいます。
そのため、彼の作品には、一見すると無意味に見えるような、奇妙で不思議なモチーフや構図がしばしば登場します。しかし、これらのモチーフや構図は、作者自身の無意識の深層心理を反映しており、見る人に深遠な印象を与えます。
個展「乾いたパンと濡れた羽」開催概要
会期: 2024年7月20日(土)~8月7日(水)
時間: 11:00~19:00(最終日は18:00まで)
会場: 銀座 蔦屋書店 店内 FOAM CONTEMPORARY
入場: 無料
大川心平 個展「乾いたパンと濡れた羽」を通して
本展では、大川心平が描き出す、記憶と時間、そして多角的な視点によって構成された、独特の世界観に触れることができます。
ぜひ、銀座 蔦屋書店を訪れて、大川心平の世界に浸ってみてください。