サントリーと東急不動産が取り組む新しいリサイクルプロジェクト
最近、サントリー食品インターナショナル株式会社と東急不動産株式会社が共同で、ペットボトルの「ボトルtoボトル」リサイクルプログラムを開始しました。この取り組みは2024年4月1日から本格化し、北海道のスキーリゾート「ニセコ東急グラン・ヒラフ」と札幌市の「COCONO SUSUKINO」スキー場で展開されます。
持続可能な社会を目指して
サントリーグループは「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造する」という目的のもと、持続可能な社会の実現に向けて様々な取り組みを行っています。彼らは2030年までにすべてのペットボトルをサステナブル化する目標を掲げています。一方、東急不動産も循環型社会の実現を重要な環境課題と認識し、環境保全に向けた活動を展開してきました。このたび、両社のビジョンが一致し、新たなリサイクルプロジェクトがスタートすることとなりました。
プロジェクトの詳細
昨年から試験的に進められてきたこのリサイクル取り組みは、使用済みのペットボトルを回収し、飲料用の新たなペットボトルに再生する工程で成り立っています。「COCONO SUSUKINO」では既にこのプロジェクトが実施されており、新たに「ニセコ東急グラン・ヒラフ」でも展開されることになりました。これにより、羊蹄山麓の7つの町村でも同様のリサイクルが行われ、地域全体での資源循環が期待されています。
特に「ニセコ東急グラン・ヒラフ」は多くの訪日観光客に利用されるため、プロジェクトの認知向上が重要です。英語ポスターの掲出や、資源の分別を促すデザインの「リサイクルステーション」も設置される予定です。これにより、観光客にもリサイクルの意義を広め、地域の環境保全に寄与することを目指しています。
専門家の評価
環境省の平塚二朗氏は、このプロジェクトがニセコ地域で開始されることを高く評価しています。「ボトルtoボトル」リサイクルは、日本が誇るリサイクルシステムの一つであり、地域の自然環境を守るためにも大きな意義があると述べています。彼は、この取り組みが持続可能な観光地づくりのモデルケースとなることを期待していると強調しました。
サントリーの先進的な取り組み
サントリーは、2012年に業界初のリサイクル素材100%のペットボトルを導入したことが知られています。その後も、CO2排出量を削減する「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発するなど、持続可能な社会に向けた技術革新を進めてきました。
2030年までにはすべてのペットボトルにリサイクル素材や植物由来の素材を使用し、新規の化石由来原料の使用をゼロにする目標を掲げています。リサイクルの普及を図ることで、環境保全の意識を高め、持続可能な社会への貢献を果たすことを目指しています。
まとめ
サントリーと東急不動産の取り組みは、持続可能な社会への一歩を踏み出す重要なプロジェクトです。ペットボトルのリサイクルを通じて、地域社会に貢献しながら、観光地としての魅力を高めることに期待が寄せられています。この取り組みが成功を収めることで、他の企業にも波及し、日本全体での環境保全の動きが加速することを願います。