グローバルヘルスODA拡大要請
2024-07-03 12:57:27

日本企業、グローバルヘルス分野におけるODA支出拡大を厚労省に要請

グローバルヘルス分野における日本のODA支出拡大に向けた取り組み



「グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同」は、7月2日に武見敬三厚生労働大臣を訪問し、「企業活動とODAによるグローバルヘルスへの支援の拡大に向けた要望書」を手交しました。

この有志団体は、渋澤健氏を代表とし、製薬・医療機器、金融、商社、デジタル、サプライチェーンなど、多岐にわたる分野の企業が参加しています。

要望書では、日本の研究開発力をグローバルヘルスの課題解決に活用するため、以下の6点を具体的に提言しています。

1. 創薬基盤の強化: 国内市場だけでなく、途上国のニーズも踏まえた研究開発の支援を強化し、グローバルヘルス分野への貢献を促進
2. 調達促進: 日本企業の製品・サービスがグローバルヘルス分野の国際機関で調達されるよう、政府による支援体制を構築・強化
3. 人材育成: 国内の感染症対策・危機管理体制の整備を通じて、グローバルヘルス分野で活躍できる人材育成を強化
4. ODA支出拡大: ワイズスペンディングを徹底しながら、グローバルヘルス分野における日本のODA支出総額を拡大
5. 官民連携強化: グローバルヘルス分野への支援を外交政策上の戦略分野として位置付け、現地での企業活動と連携したオファー型協力を実現
6. 国際機関への拠出拡大: 日本企業の意見を踏まえ、Gaviワクチンアライアンスなど国際機関への資金拠出を戦略的に拡大

背景には、日本のODA支出総額が2019年から倍増し、2022年には世界第3位のグローバルヘルス支援国としての地位を確立しているという事実があります。

しかし、厳しい財政状況の中、新型コロナウイルス感染症が沈静化してきたからといって、国際的なプレゼンスを損なうことはできません。

有志団体は、経済安全保障を強化するためにも、グローバルヘルス分野への支援を明確に位置付け、官民連携によるオファー型協力を通じて国際的な貢献を拡大していく必要性を訴えています。

メッセージ:

渋澤健氏: ワイズスペンディングを徹底しつつ、国際保健分野での拠出やオファー型協力を拡大し、厚生労働省の更なる貢献を期待
加留部淳氏 (豊田通商): ワクチン保冷輸送車の提供など、国際保健分野への貢献を継続。外務省との連携による更なる貢献を模索
田代桂子氏 (大和証券): 証券会社として、民間資金を活用した国際保健分野への貢献に携わる。ソーシャルインベストメントを通じた資金調達への貢献を目指す
田中繁広氏 (NEC): ICTを活用した価値貢献の創出を強調。CEPIからの拠出を受け、次世代ワクチン開発に取り組む
佐々木小夜子氏 (エーザイ): 顧みられない熱帯病制圧に向けた取り組みを紹介。サステナブルな制圧活動への日本政府の支援強化を期待
小野隆氏 (シスメックス): グローバルヘルス分野での医療アクセス向上に取り組む。官民連携によるUHC貢献を目指し、ODAの更なる拡大を要請
金子洋介氏 (SORA Technology): ドローンやAIを用いたマラリア対策に貢献。Gaviとの連携によるイノベーションを通じた国際保健への貢献を継続
柏倉美保子氏 (ビル&メリンダ・ゲイツ財団): 日本政府の国際保健分野への取組と継続的な支援を高く評価

今後の展開:

有志団体は、今後も政府や国際機関と連携し、グローバルヘルス分野における日本のプレゼンス向上と課題解決に貢献していくことを目指しています。

グローバルヘルスの未来を担う官民連携



グローバルヘルス分野における日本のODA支出拡大は、国際的な責任を果たすだけでなく、日本の経済安全保障にも大きく貢献すると言えるでしょう。

今回の有志団体の要望は、官民連携によるイノベーションと持続可能な発展を追求する、新たな時代の国際協力のあり方を示すものとして注目されます。

厚生労働省がこれらの要望をどのように受け止め、具体的にどのような施策を展開していくのか、今後の動向に注目していきたいところです。



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