アストラゼネカと患者団体が治験アクセス向上を共同宣言
2024年10月7日、大阪市にて開催された「アストラゼネカ患者フォーラム2024」において、アストラゼネカ株式会社は、患者団体と連携して治験へのアクセスを向上させるための「アストラゼネカ患者フォーラム2024共同宣言」を発表しました。この宣言は、患者が治験に参加しやすい社会を実現するための新たな取り組みの総称です。
共同宣言の三つの目標
この共同宣言は、三つの主要な目標を掲げています。まず一つ目は「治験をわかりやすくする」こと。治験という言葉自体が難解であるという認識から、患者が理解しやすい情報を提供することを目指しています。次に「治験情報にたどりつきやすくする」こと。情報の流通を促進し、必要な情報がすぐに手に入る仕組みを整えることが求められています。最後に、「治験に参加しやすくする」こと。参加のハードルを下げ、積極的に治験に関与できるような環境作りが重要です。
参加者には、一般社団法人メディカルジャーナリズム勉強会の代表理事である市川衛氏をはじめとし、全国がん患者団体連合会の理事長、その他の患者団体のリーダーたちが名を連ねており、真剣な討議を経て今回の発表に至りました。
フォーラムで明らかになった課題
前回、2023年に開催されたフォーラムでは、治験の認知度や情報へのアクセス、参加機会において格差が存在することが浮き彫りになりました。これに基づき、2024年のフォーラムでは治験へのアクセスを容易にするための具体的なアクションが議論され、その結果を踏まえた取り組みが必要とされています。
アストラゼネカはこのフォーラムを単なるイベントとして終わらせず、治験に関する認識を向上させ、必要な患者に必要な情報が届くための姿勢を貫いていく意向を示しました。
アストラゼネカの企業理念
アストラゼネカは「イノベーションを通じて患者さんの人生を変える No.1 パイオニア企業」という理念のもと、治験へのアクセスを時代に即した形で改良し、患者中心のビジネスモデルを加速させることを目指しています。治験を日々の医療サービスの一部として位置づけ、患者の視点を重視した運営が求められています。
アストラゼネカ社長の堀井貴史氏は、フォーラムの締めくくりに「患者団体やステークホルダーと対話を重ね、共に行動を続けることが重要である」と述べ、今後の方向性を明確にしました。これにより、アストラゼネカは引き続き患者のニーズに寄り添いながら、社会全体の治験に対する理解促進に努めていく姿勢を強調しました。
アストラゼネカは、世界125カ国で医療用医薬品を提供するグローバルなバイオ・医薬品企業として、日本でも特にオンコロジーや循環器といった重要な領域に力を注いでいます。患者の健康と医療の進歩に寄与するための取り組みは、今後も益々重要な課題となることでしょう。
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