運送業のDX課題
2022-04-18 13:00:05
運送業界のDX推進、経営者は重要視も実態は課題山積
1. はじめに
運送業界は、現在デジタルトランスフォーメーション(DX)という新たな波の中にあります。多くの業界と同様に、運送業界も効率化やコスト削減、労働環境の改善など、さまざまな理由からDXの導入が急務となっています。近年の調査によれば、運送業経営者の68.2%がDX推進の重要性を認識しているものの、本当に実現されているかは疑問が残ります。実際、十分に進んでいると答えた経営者はわずか12.9%でした。本記事では、この結果を受けた現状について詳しく掘り下げます。
2. DX推進に対する認識
経営者たちは、DXが運送業においても重要であることを理解しています。具体的には、36.5%が「非常にそう思う」とし、31.7%は「ややそう思う」と回答しました。このよう高さからは、業界内での意識が高まっていることが伺えます。
3. DX推進の理由
運送業界がDX推進に取り組む理由には主に、「ドライバー不足」が65.2%、そして「労働時間問題」が63.8%と「ドライバーの高齢化」が60.9%が挙げられます。これらの課題は、業界全体の持続可能性に大きな影響を与えるものです。経営者からは「待機時間の短縮」や「荷役作業の軽減」、さらには「競争力の向上」がDXに求められる期待として表れました。
4. DX進捗の実態
しかしながら、「DXを十分に進められている」と答えた経営者は12.9%という、実に厳しい数字でした。経営者の76%が、DXの導入にあたっての課題を感じていることが明らかになりました。一番多い理由は「DXに関するノウハウがない(51.3%)」というもので、これは技術を持たない企業が多いことが反映されています。
5. 燃料価格の高騰と危機感
また、調査の中で燃料価格の高騰に対し、9割以上が「危機感を感じている」と回答しました。この価格上昇は直接的にコストの大幅アップにつながり、利益率の低下を招いています。経営者たちは「価格転嫁が難しい」とも述べており、経営上の大きな懸念材料です。
6. DXによる業務改善
運送業界におけるDXは、具体的には「車両の動態管理」や「従業員の労務管理」で進められていますが、全体としては34.7%が「わからない/答えられない」とした結果から、業界全体の理解不足が顕著です。これを踏まえ、今後の取組みとしては、労務管理や燃費管理のDX化にもっと注力していく必要があります。
7. まとめ
運送業経営者はDXの必要性を強く感じながらも、その推進が十分ではなく、課題を抱えています。特にノウハウ不足や社員のITリテラシーの低さが大きな壁となっています。このような現状を打破するためには、特化したDXツールの導入や、業界全体での情報共有と教育が不可欠でしょう。今後、DXの導入が進むことで業界の労働環境や効率が改善されることを期待します。
会社情報
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