台湾の遠隔営農実験
2025-09-17 20:49:27

台湾における遠隔営農支援システムの実証実験報告

台湾での新たな農業支援の形



2025年9月17日、株式会社NTTアグリテクノロジーは、台湾の國立宜蘭大学及びThroughTek Co., Ltd.(以下、TUTK)と共同で行った遠隔営農支援システムの実証実験の成果を発表しました。このプロジェクトは、データに基づいた農業指導を通じて新規就農者を支援し、台湾の農業の持続可能な発展に寄与することを目指しています。

実証実験の背景と目的


世界中で食料の安定供給が課題となる中、台湾でも新規就農者の増加や技術の伝承が求められています。NTTアグリテクノロジーは、これらの課題に対処するために、宜蘭大学とTUTKとの連携を進めており、特にスマート農業技術を駆使して、農業の効率化を図っています。

実証実験の経緯


この研究は、2024年9月23日に形成されたMOU(基本合意書)を皮切りに始まりました。その後、2024年12月より、宜蘭県の名産であるネギを用いて、指導者が遠隔で栽培未経験者を指導する実験を開始しました。この取り組みにより、台湾における遠隔営農の有効性を検証することができました。2025年4月からは、さらに難易度の高いマスクメロンに対象をシフトし、効果測定を行いました。

マスクメロン実証実験の概要


実証実験は、宜蘭大学の温室で行われ、「実証区」と「非実証区」を設定し、収穫物のデータ収集と若手就農者の技術習得に関する違いを測定しました。実証区では、システムを通じて指導を受けた栽培者の収穫量が非実証区に比べて優位性を示し、平均重量は約150%に達しました。

結果と考察


栽培者への効果

1. 収穫量の向上: 実証区では、収穫量が大幅に伸びました。
2. 指導の迅速化: トラブルから指導までが数日から1日以内に短縮されました。
3. 指導回数の増加: コミュニケーションに改善が見られ、指導の頻度が170%増加。
4. きめ細やかなサポート: 指導が時間・場所の制約を受けずに行えました。

これらの結果は、しっかりとした技術指導が病害対策や適正栽培を迅速化し、収穫率の改善には大きな役割を果たすことを示唆しています。

指導者への効果

1. 移動時間の削減: 約50分の往復移動時間が省かれました。
2. タイミングの柔軟性: 従来難しかったタイミングでの指導が可能に。
3. 情報共有の向上: 栽培データへのアクセスが改善され、指導者間での円滑な連携が実現しました。

これにより、効率性だけでなく、指導機会の拡大も図れています。

実証実験の様子


実証実験では、成果報告会や収穫されたメロンの様子が公開され、温室内での実施が強調されました。このプロジェクトにおける各関係者—宜蘭大学のフィールド提供者、TUTKのIT技術支援、NTTアグリテクノロジーのシステム提供—の役割が光ります。

今後の展望


実証実験の結果を踏まえ、台湾における遠隔営農支援システムの普及と活用について具体的な検討を進め、食の安定供給に貢献するための取り組みを強化していく予定です。

このように、台湾での遠隔営農支援システムの実証実験は、スマート農業技術の実現可能性を示すものとなっています。今後、多くの地域での展開が期待されます。


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会社情報

会社名
株式会社NTTアグリテクノロジー
住所
東京都新宿区西新宿3-19-2
電話番号

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