ウシオ新装置発表
2025-08-26 16:36:23

ウシオ、ピッチ補償光学系を搭載した新干渉露光装置を開発

ウシオ、革新的な干渉露光装置を開発



ウシオ電機株式会社が、ピッチ精度0.01nmを実現した新しい干渉露光装置の開発に成功しました。この装置は、位相シフト構造の形成機能も備えた画期的なもので、2027年春に販売が予定されています。現代の半導体業界においては、生成AIの進化がデータセンターの電力消費を課題として浮き彫りにし、その解決策として光電融合技術の採用が期待されています。この技術において使用されるレーザー光源であるDFB-LD(分布帰還型レーザー)は急速に需要が高まっていますが、その製造過程である電子線描画(EB)装置の生産性が低く、供給が論点となっています。これに対して、干渉露光技術は複数の課題を抱えながらも、EBの生産性向上に寄与する可能性があることが注目されてきました。

干渉露光技術の課題


新しい装置の開発にあたってウシオは、以下の三つの課題を解決することに注力しました。

1. 露光品質の安定性
2. ピッチ精度の確保
3. 位相シフト構造の形成

これらの課題に対して、ウシオが開発した装置は以下の優れた特徴を持っています。

露光品質の安定性


今回の干渉露光装置では、光源に266nmのDPSS(ダイオードパンプ固体レーザー)を採用しました。従来の装置の多くはガスレーザーを使用しており、そのため露光の安定性において課題がありましたが、ウシオの新装置はKrFレジストを活用し、露光性能を保ちながらも高い露光安定性を実現しました。この新しい構成により、安定した光量を確保できるようになりました。

ピッチ精度の向上


また、ウシオの独自技術により、干渉縞のピッチを0.01nmまで精密に測定可能で、これによってDFBレーザーの回折格子が求める高精度なピッチを達成することが可能です。狙いピッチとのズレを補正する補償光学系を内蔵しており、これが高精度の露光を支える要素となっています。

位相シフト構造の形成


さらに、デジタルホログラフィック素子を用いることで、ウシオの装置は位相シフト層を形成する技術を実現しています。この技術は、回折格子の不連続な部分を与えることで歩留まりを改善する効果があります。ウシオの新しい干渉露光装置は、従来の位相シフト層と同等の機能を持つCPM(Corrugation Pitch Modulation)構造を可能にしています。

装置の適用と今後の展望


この新しい干渉露光装置は半導体レーザーのみならず、AR(拡張現実)技術に求められる光学部品の製造にも大きな可能性を秘めています。装置の販売開始に先立って、ウシオは広くデモ加工を行っているため、興味のある企業はぜひ参加を検討してみてください。ウシオは今後も「光」を駆使してレベルの高い技術革新をIndustry Process分野で実現します。具体的な技術の説明は、9月8日から12日まで岡山大学で開催される電子情報通信学会ソサエティ大会にて発表される予定です。

ウシオ電機の技術と製品への取り組みを注目し、未来の市場における変革を期待したいですね。


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会社情報

会社名
ウシオ電機株式会社
住所
東京都港区三田3-5-19
電話番号
03-5657-1000

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