CLT敷板の耐久性を試す実証試験
CLT敷板は近年、土木工事現場での機能性が期待されている新しい木質材料です。北海道士別市に本社を置く株式会社イトイグループホールディングス(以下、イトイGHD)と株式会社sonrakuは、一般社団法人日本CLT協会と連携し、CLT敷板の走行耐久試験を実施しました。この試験は、CLT敷板の耐久性を検証し、土木分野での実用化へ向けた重要なステップです。
CLTとは何か?
CLTとは「Cross Laminated Timber」の略で、直交集成板を指します。異なる方向の木材の繊維が積層接着されて大きな板にされています。建築材としてだけでなく、家具や土木用材にも利用されています。持続可能な資源としての国産材の需要拡大を目指し、近年特に注目されています。
実施された耐久試験の概要
今回の耐久試験は、一般社団法人日本CLT協会が林野庁の補助事業として実施した「土木分野におけるCLTの生産技術・利用技術の実用化及び普及に向けた社会実証」の一環として行われました。イトイGHDとsonrakuは、この社会実証の一部として耐久試験に参加し、CLT敷板の性能を詳しく調査しました。
試験はイトイGHD本社の敷地内で実施され、建設機械がCLT敷板上を合計100回走行しました。走行することで敷板にどの程度の損傷が生じるかを観察し、欠損深さを測定しました。
試験結果の分析
100周の走行後、CLT敷板の最大欠損深さは5-6mmという結果が見られました。この結果から、CLT敷板の耐久性は土木工事現場においても問題ないことが確認されました。今後は、もっと多く周回した場合のデータも収集し、さらなる耐久性の評価を実施するとしています。
CLT敷板の未来に向けて
イトイGHDは、今回の試験結果を踏まえ、CLT敷板のさらなる実用化に向けた取り組みを続けていくことを表明しています。木質材料の利用が進めば、環境への負荷を軽減しつつ、持続可能な資源利用の促進に繋がることでしょう。
CLT敷板の実用化が進むことによって、土木工事現場での新たな可能性が広がると期待されています。この試験の成果が、より多くのプロジェクトに応用される日が待ち望まれるばかりです。