日本財団の18歳意識調査結果から読み取る若者の未来像
日本財団が実施した第71回「戦後80年」に関する18歳意識調査において、若者たちの太平洋戦争に対する意識や未来の日本への期待が明らかになりました。この調査は、若き世代の思考を理解し、彼らの価値観を記録することを目的としています。近年、成人年齢が引き下げられたこともあり、18歳の若者の声はますます重要視されています。
太平洋戦争に関する学びの経験
調査によれば、約95%の若者が太平洋戦争について何らかの形で学んだ経験があると答えました。特に印象的だったのは、学習内容の3分の2が学校の授業でのものであったという点です。また、資料館や博物館の訪問も30%を超える若者が挙げています。
特に記憶に残る作品として最も回答が多かったのが、故野坂昭如の短編小説「火垂るの墓」で、42%を超える支持を得ています。続いて故中沢啓治の漫画「はだしのゲン」が20%で2位となり、その後「アンネの日記」や「ゾウのいない動物園」という著作も若者に影響を与えていることがわかりました。
未来の国づくりへの期待
「これからの日本が目指すべき国づくり」に関する若者の意見は多様でしたが、最も支持されたのは「自由で平和な国」で38%を超えました。2位は「経済に強い国」、3位は「災害に強い国」という結果に。特に女性は「福祉が手厚い国」の必要性を強く感じており、男性より10%ほど高い结果を示しました。
さらに「自主防衛力」を強く訴える男性も多く、性別によって国のあり方に対する視点が異なることも見逃せないポイントです。調査結果の自由記述では、「国民のためになる政策を実現する国」や「正しく政治が行われる国」といった現実的なビジョンが多く述べられました。
政治への関心と不安
7月の参議院選挙で与党が過半数を割ったことで、政治の未来への不透明感も影響しています。若者たちは、政治問題に真剣に向き合い、より良い社会をつくる必要性を感じています。彼らが今後の参院選に向けた思いや期待をどのように抱いているのか、引き続き調査は行われる予定です。
調査の背景と今後の展望
この意識調査は2025年6月13日から15日にかけて、全国の17歳から19歳の男女を対象に実施されました。インターネット調査によるもので、全国から1,000名が参加しました。その結果は報告書にまとめられています。このような調査を通じて、私たちの未来を担う若者の意識をより深く理解し、彼らがどのような社会を求めているのかを探ることの重要性が改めて示されています。
日本財団は、今後もこうした意識調査を継続し、若者たちの声を社会に反映させる取り組みを進めていく意向です。詳細については、同財団のウェブサイトでも確認できますので、興味のある方はぜひご覧ください。