新型サーマルヘッド
2025-01-23 09:17:02

ロームがA4サイズ対応の新型サーマルプリントヘッドを開発!

ロームが開発した新型サーマルプリントヘッド



最近、ローム株式会社(本社:京都市)は、本格的なモバイルプリンター市場に向けて注目の新製品、A4サイズ対応のサーマルプリントヘッドKA2008-B07N70Aを発表しました。この製品は、リチウムイオン電池2セルで駆動できることで、より柔軟な電源供給が可能になっています。

小型化と省スペース設計


新製品はA4サイズ(横幅210mm)のプリンターに対応しており、従来のサーマルプリントヘッドと比較して縦幅が14mmから11.67mmへと約16%小型化されました。このデザイン変更により、プリンター全体の省スペース化にも寄与しています。

さらに、ドライバICや配線レイアウトの改善により、7.2V駆動が可能になり、従来の12Vと比較して約66%もエネルギー消費が削減されています。これは、印字速度50mm/秒の条件下での成果とされ、高速印字においても安定した印字品質を保証します。

高画質印字の実現


KA2008-B07N70Aは、最高印字速度100mm/秒で、解像度203dpi(1)を実現しています。発熱体の個別配線を調整されており、これにより発熱量が均一化され、印字品質の安定化が図られています。この特性は、特に商業用途での需要が高い印刷品質の維持に還元されることでしょう。

二つの印字方式への対応


新たなプリントヘッドは、感熱方式(
2)および熱転写方式(3)の二つの印字方式に対応しています。これにより、さまざまな用途で印刷が行えるほか、特に病院や薬局での処方箋プリントなどのニーズに応えることが可能です。また、温度変化による物理的な影響を軽減する設計も採用しており、高耐久性をもって使用されています。

組み込みの自由度の向上


一般的に、サーマルプリントヘッドにはコネクタや放熱板が組み込まれることが多いですが、KA2008-B07N70Aは基板単体として供給が可能なため、プリンター設計の自由度が大幅に向上しています。製品の仕様についての詳細は、担当営業またはロームのウェブサイトで確認できます。

未来の展望


この新型サーマルプリントヘッドは、2024年の9月から月産5,000個の体制での量産が開始される予定です。さらには、2025年春には解像度300dpiに対応する製品も開発予定とのこと。そして将来的には、高速印字や高効率化を推進するラインアップも充実させていく計画です。

市場拡大の背景


近年、特に海外のEC市場の成長に伴い、インボイスや税関ラベルの需要が急増しています。また、病院や薬局などでの印刷ニーズも高まっているため、インクやトナーが不要なサーマルプリンターの市場が見直されています。この状況下で、特にモバイルプリンターの需要は急速に増加しており、持ち運びの確保やメンテナンスの容易さが評価されています。

アジア市場、特に中国ではA4サイズに対応したサーマルプリンターへの需要が高まっていますが、このKA2008-B07N70Aはそのニーズに的確に応える商品となるでしょう。ロームは今後もその技術革新を続け、ユーザーにとって魅力的な製品を提供していく必要があります。

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1) dpi(dots per inch): 印刷の解像度や密度を示す指標。
2) 感熱方式: 感熱紙に直接熱を加え印刷する方式。インク不要で、メンテナンスも簡便。
3) 熱転写方式: インクを熱で用紙に転写する方式。高精度印刷に適し、耐久性が必要な印刷物に利用される。


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会社情報

会社名
ローム株式会社
住所
京都府京都市右京区西院溝崎町21
電話番号
075-311-2121

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