千葉の犬猫とキョンが共生する新プロジェクトの始まり
千葉県市原市の団体、いぬねこ共生ラボラトリーが新たに立ち上げた「総 -sou- プロジェクト」が、注目を集めています。このプロジェクトでは、千葉で問題となっている特定外来生物「キョン」の肉を使用したドライドッグフードとおやつを発売します。環境保護とペットの健康を両立させることを目指し、2024年11月22日に生産開始予定です。
キョン肉を利用した新しい食材の販売
「総 -sou- プロジェクト」は、キョン肉を主成分とするドライドッグフード、ジャーキーおやつ、そしてキョンの革を用いた犬用首輪を展開します。このプロジェクトは、特に犬猫の飼い主からの要望を受けて形作られました。ドライドッグフードは一種類、ジャーキーはキョン、鹿、猪の5種類から成り、すべて千葉県房総半島で獲れた素材を使用します。特に、キョン革の首輪はその滑らかな肌触りから「革のシルク」と呼ばれるほどの品質です。
繁殖抑制と新しい市場の創出
キョンの推定個体数は、2007年には3400頭から2022年には約71500頭にまで増加しています。この急激な増加は、農作物に甚大な被害をもたらしています。そのため、捕獲し資源として利用することで繁殖抑制を図り、地域の問題解決に繋げる狙いがあります。千葉県ではかつてテーマパークから逃げたキョンが繁殖し、様々な方法で増加してきたと考えられています。
鋭意取り組むペットフード研究者の思い
プロジェクトの代表である小坂邊信は、「キョン肉があれば食物アレルギーを持つペットたちに新しい選択肢を提供できるのでは」と考え、様々な動物の肉を試しました。特に、犬の食物アレルギーが増える中で、ペットフードの新たな加工方法を模索してきました。そして、出会った猟師との連携を通じて、プロジェクトが実現しました。
環境保護と命の尊重
キョンを駆除対象とする意見に対しても、いぬねこ共生ラボラトリーは異なるアプローチを提案しています。「どんな生き物も一つの命である」との思いから、キョンを利用することで命を無駄にしない取り組みを行っています。そのため、「命を有効に使うことが我々の使命である」というテーマのもと、活動を進めています。
今後の展望と地域との連携
今後もいぬねこ共生ラボラトリーは、ペット向け商品の拡充を図る予定です。さらに、伊豆大島でも同様のキョンによる被害が報告されており、地域との連携も進めたいと話しています。「キョンの問題は千葉県だけでなく、他の地域にも広がっている」との認識から、他地域との情報共有を大切にしたいと考えています。
結びに
千葉県の環境問題を解決しつつ、ペットに新たな選択肢を提供するこのプロジェクト。食材としてのキョン肉の可能性を広げ、地元の農業や生態系にも配慮した取り組みが期待されます。ぜひ、今後の進展に注目してください。