熊本市と連携協定を結んだ「スケッター」の意義
2023年3月5日、熊本県熊本市と株式会社プラスロボが運営する介護・福祉領域特化型のボランティアマッチングプラットフォーム「スケッター」が連携協定を締結しました。この協定は、地域の未経験者層など多様な人材が介護分野に関わりやすくすることを目的としており、新しい互助インフラの構築を促進するものです。この動きは、介護業界の裾野拡大へ弾みをつけるものと期待されています。
介護人材の裾野拡大に向けた取り組み
「スケッター」は2019年にリリースされ、「すき間時間のお手伝い」をテーマに地域の住民が介護に関わる機会を提供しています。最大の特徴は、資格や経験がない方でも参加できる点で、登録者の約70%が介護福祉の分野に従事したことのない異業種の人々です。これにより、様々な業界からの関係人口が増え続けています。
特に注目すべきは、学生や若い世代から60代以上のアクティブシニアまで、幅広い世代がこのプラットフォームで活躍していることです。彼らは「関心はあるが、どう関わるか分からない」という潜在的な興味を持つ人々を惹きつけています。
熊本市でのトライアル利用開始
今回の協定により、熊本市は市内の介護事業所への「スケッター」のトライアル導入を促進します。また、市民に向けても、介護事業所での有償ボランティア活動についての広報を強化します。このトライアルのスタートは2023年6月からとなる予定です。
連携が広がる「スケッター」
「スケッター」はすでに、北九州市、仙台市、川崎市など全国で15以上の自治体と連携しています。これにより、地域共生社会の実現に向けたインフラが急速に構築されつつあり、多くの市民が介護・福祉分野に関わるきっかけを得ています。
熊本市の大西市長もこの取り組みに参加し、地域社会の支え合いの重要性を強調しました。「スケッター」が介護分野に新しい風を吹き込むことで、地方自治体としての役割を果たし、地域社会の支援体制をより強固なものにしていくことを期待されています。
結論
「スケッター」と熊本市の連携は、地域共生社会の実現に向けた重要な一歩です。このプラットフォームにより、介護分野に未経験者が参加しやすくなることで、介護人材の拡充に寄与し、より多様な人々が福祉を支える社会が形成されることを願っています。地域全体での連携が進む中、今後の展開に目が離せません。