令和のお中元事情: 贈答文化は変化の兆し?
近年、贈答文化の変化が注目されています。特に、夏のギフトである「お中元」と、カジュアルな「サマーギフト」は、その変化を如実に表すと言えるでしょう。小売業界に特化したパッケージシステムを開発・提供するデータコム株式会社が実施したアンケート調査では、なんと7割以上の人が、お中元やサマーギフトを贈らないと回答しました。
贈らない理由: 「贈りたい相手がいない」が最多
贈らない理由として最も多かったのは、「贈りたい相手がいない」でした。これは、少子高齢化や核家族化が進み、昔のように親戚や友人と頻繁に交流する機会が減っている現状を反映していると考えられます。
また、サマーギフトについては、「贈る文化が無い」や「作法が分からない/知らない」という回答も多く見られました。これは、サマーギフトが比較的新しい贈り物であるため、まだ認知度が低いことを示しています。一方、お中元については、「面倒」という回答が目立ち、毎年贈る手間などが要因として考えられます。
贈る場合の傾向: 家族や親戚への贈答が主流、上司には「アルコール」が人気
贈る場合、お中元もサマーギフトも、7割以上の人が家族や親戚に贈ると回答しました。相手との関係性によって、フォーマルなお中元とカジュアルなサマーギフトを使い分けているようです。
上司への贈り物としては、お中元、サマーギフトともに「アルコール」が人気です。一方、家族や友人には「アイス」や「ゼリー」といった、夏らしい涼しげなものが好まれ、贈答品の傾向も変化していることが分かります。
贈り物を選ぶポイント: お中元は「相手の好み」、サマーギフトは「夏らしさ」が重要
贈り物を選ぶポイントとして、お中元では「相手の好みに合う」が最も重視されました。これは、お中元が伝統的な贈り物であり、マナーを重んじる傾向があることを示しています。
一方、サマーギフトでは「相手の好みに合う」と「夏らしさ」が同率で上位にランクインしました。カジュアルな贈り物だからこそ、形式にとらわれず、夏を感じてもらえるギフトを選ぶ人が多いようです。
今後の贈答文化: 手軽に贈れるギフトが求められる?
今回の調査結果から、お中元やサマーギフトなどの贈答文化は、かつてのような形式的なものではなく、より個人的な関係性に基づいた、相手に喜んでもらえるものを贈るという形へと変化していることが分かります。
今後も、手軽に贈ることができ、相手の喜びに繋がるような、新しいギフトの形が求められるかもしれません。