洋上医療サービス実証実験
2025-02-28 13:20:42

低軌道衛星通信を活用した洋上医療サービスの実証実験開始

低軌道衛星通信を利用した新しい洋上医療サービス



2025年の初頭、株式会社Kirarinと八馬汽船株式会社は、日本初の低軌道衛星通信を活用した洋上での総合医療サービス、「(仮)Maritime Smart Care360」の実証実験を実施することを発表しました。この画期的なプラットフォームは、外航船員の健康状態をリアルタイムで管理し、医療へのアクセスが難しい洋上でも迅速に医療相談ができる環境を提供します。

1. 実証実験の背景


海運業界では、船員の労働環境改善が急務とされています。特に、長期間にわたる航海の中で船員のメンタルヘルスに対する配慮が求められており、国際的な基準にも照らし合わせて、精神的なサポートが必要とされています。今回の実証実験は、八馬汽船が推進する「健康企業宣言」の一環として、船員の健康管理を強化する目的で立ち上がりました。

2. 洋上医療の課題


航海中の船員は、陸上と比べて医療アクセスが極めて限定され、適切な判断を下すことが難しい環境です。無線通信による医療助言では、情報が限られているため、症状の詳細や緊急度を把握しにくい状況が続いています。このような課題を背景に、Maritime Smart Care360は、船員がどこにいても専門医とリアルタイムで接続し、医療アドバイスを受けることができる新しいサービスとして期待されています。

3. Maritime Smart Care360の機能


このプラットフォームは、24時間365日体制での医療相談を可能にし、300名以上の医師からなるネットワークに基づいて専門的な助言を提供します。多言語に対応しているため、外国籍の船員も母国語での相談が可能です。また、船内でのセルフ検査機器を導入することで、精度の高い健康管理と早期リスクの検知を実現します。これにより、医師が適切なアドバイスを迅速に行うことができないという課題を解決することが目指されています。

3-1. オンライン医療相談


Maritime Smart Care360では、リアルタイムのビデオ通話によるオンライン医療相談が行われます。これにより、医療の専門家が直接症状を確認し、適切な治療法を提案することが可能です。

3-2. セルフ検査との連携


事前に「セルフ・ドクター」という機器を用いた指頭採血を行うことで、オンライン相談前に血液データを取得し、より正確なアドバイスが行えるようになります。この進化したサービスは、洋上でも健康問題の早期発見をサポートします。

4. 実証実験の具体的施行


この実証実験は、日本とオーストラリアを結ぶ航路を使って、2025年2月下旬から4月中旬まで実施します。対象となる船舶は2隻で、約40名の船員が健康管理データを収集する対象になります。また、オンラインカウンセリングも行い、メンタルヘルスの改善も目指す方針です。実験の結果に基づいて、さらに多くの航路へサービスを拡大する計画も進められています。

5. 今後の展開と期待


本サービスは、実証実験を経て運用体制の最適化を行い、他航路への展開も行う方針です。また、医療機関や政府機関との連携を深め、海運業界全体の健康管理モデルの確立を目指します。八馬汽船の加藤潔一氏も、このサービスの意義を強調し、船員がいつでも医療にアクセスできる環境作りへの期待を語っています。

結論


(仮)Maritime Smart Care360は、外航船員の健康管理の新たなフロンティアを切り開くプロジェクトです。通信環境が限られた洋上でも、適切な医療を提供することで、船員の健康状況を大きく改善する可能性があります。今後の実証実験の結果と展開に、引き続き注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社Kirarin
住所
東京都中央区銀座7-13-6サガミビル2階
電話番号
03-6384-0230

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