サイバーレジリエンスの重要性
近年、金融システムのデジタル化が急速に進む中、サイバー攻撃のリスクも増大しています。このような背景を受け、BIS(国際決済銀行)決済・市場インフラ委員会(CPMI)と、証券監督者国際機構(IOSCO)は2026年9月8日、サイバーレジリエンスに関する二つの重要な市中協議文書を公開しました。それぞれの文書の主な内容を見ていきましょう。
1. サイバーレジリエンス実用ツール集
最初の文書は「サイバーレジリエンス実用ツール集 FMIのための実務的考慮事項」です。この文書は、金融市場インフラ(FMI)がサイバーリスクに対してどのように抵抗力を高めることができるかについて、実務的なガイダンスを提供しています。具体的には、以下のような内容が含まれています。
- - リスク評価の実施: サイバーリスクの特定と評価を行い、潜在的な影響を理解すること。
- - 防御策の強化: サイバー攻撃に対抗するための技術的および組織的な防御策の実装。
- - 継続的な監視の重要性: サイバーセキュリティの状況を常に把握し、必要に応じて対策を見直すこと。
これにより、FMIは自らのサイバー防御体制を検討し、強化するための具体的な手順を踏むことができます。
2. FMIのサードパーティ業者への依存に関するディスカッション・ペーパー
もう一つの文書は、「金融市場インフラ(FMI)のサードパーティ業者への依存 課題およびリスク」に関するディスカッション・ペーパーです。金融機関が外部業者に依存することで生じるリスクと、その管理方法に焦点を当てています。この文書では、以下のような重要なテーマが議論されています。
- - リスクの明確化: サードパーティ業者が提供するサービスに関連するリスクの洗い出しと評価。
- - 管理方法の提案: リスクを軽減するための管理手法や契約内容の見直し。
- - 透明性の確保: サードパーティとの関係における透明性を高める方法についての提案。
FMIはサードパーティに依存することで効率化が進む一方、リスク管理を適切に行う必要があります。この文書は、そのための具体的な道筋を示しています。
コメントの募集について
両文書に対するコメントは、2026年12月1日までにCPMIおよびIOSCO事務局に提出することができます。情報共有や議論を促進するために、幅広い意見を集めることが目的です。
結論
BISとIOSCOが発表したこれらの文書は、金融市場インフラが直面するサイバーリスクに対処するための貴重なリソースとなります。金融業界全体がこれらのガイドラインに従い、堅牢なサイバーレジリエンスを確立することが期待されています。これにより、より安全で信頼性の高い金融システムの確立に寄与することができるでしょう。