大阪・関西万博での新たな取り組み
2025年に開催される大阪・関西万博。その大規模なイベントの清掃を担当する株式会社ダスキンが、清掃スタッフの安全対策として新たに導入したのが、ミツフジ株式会社が開発したリストバンド型デバイス「hamon band 2」です。このデバイスは、猛暑の下で働くスタッフの深部体温をリアルタイムで推定し、熱中症のリスクを可視化することができる優れた技術です。
近年の猛暑と労働安全
ここ数年、猛暑が常態化している日本において、2025年6月1日には改正労働安全衛生規則が施行されます。この新しい規則により、企業は職場での熱中症対策を義務化されることとなります。ダスキンもこの規則を踏まえ、大阪・関西万博の会場で清掃業務を担うスタッフの健康と安全を最優先事項として取り組んでいます。
1日あたり約300名の清掃スタッフが作業を行う中で、ダスキンは既存の「こまめな休憩」や「こまめな水分補給」に加え、最新のテクノロジーを活用して安全管理に力を入れています。この取り組みは、より高度な産業界に求められる熱中症対策の一環として位置づけられています。
hamon band 2の特長
「hamon band 2」は、手首に装着するだけで深部体温の変化をリアルタイムで測定。データはスタッフが持つデバイスに送信され、危険な温度になった際には適切な注意喚起が行われる仕組みになっています。この新しいリストバンドは、実際に現場で働くスタッフたちの健康を守るために開発され、彼らの声をもとに機能改良が加えられてきました。
清掃スタッフの熱中症リスク
大阪・関西万博における清掃業務を担当するダスキンの松山敦室長は、熱中症が清掃スタッフにとって大きなリスクであることを認識しています。近年の気候変動により、さらに厳しい暑さが予想される中、スタッフの健康対策が急務となっています。猛暑の中での作業では、従来の対策では不十分さが増しており、本デバイスの導入はその一つの解決策です。これにより、スタッフの安全意識が向上し、業務の安心感も高まることが期待されています。
まだまだ進化する安全対策
ミツフジ株式会社の代表取締役社長三寺歩氏は、「猛暑リスクによる事故の撲滅」を目指して「hamon band」を開発しました。この技術が大阪・関西万博という国際的な舞台で清掃スタッフの安全を保証する機会を得たことは、大変意義深いとしています。今後も、同社は熱中症リスクに対するソリューションを提供し、労働環境をより安全なものにするための努力を続けると明言しています。
本取り組みが大阪・関西万博の成功を支え、他の企業やイベントにも良い影響をもたらすことが期待されています。新技術の導入により、清掃スタッフが安心して働ける環境が整うことで、万博全体の品質向上にも寄与することでしょう。