ミトコンドリアの分配新知見
2025-08-27 05:22:23

岡山大学、初期胚のミトコンドリア分配機構を解明し科学界へ寄与

岡山大学、ミトコンドリアの重要な役割を発表



2025年8月、岡山大学の研究チームが初期胚におけるミトコンドリアの分配に関する重要な発見をしました。この研究は、受精後に胚が正常に発生するために必須であるミトコンドリアの動きが、いかに重要であるかを示しています。

ミトコンドリアの分配メカニズム


研究によれば、受精卵内のミトコンドリアは受精後に「娘割球」と呼ばれる新しい細胞へと分配されます。この過程では、ミトコンドリアを制御するタンパク質「Drp1」が重要な役割を果たしています。このタンパク質が不足すると、ミトコンドリアは一ヶ所に凝集してしまい、適切な分配ができなくなることが示されています。実際、Drp1が欠乏した受精卵では細胞分裂の際にミトコンドリアの不均等な分配が観察されました。

これにより、胚の発達が早期に停止することが確認され、ミトコンドリアの適切な分配が胚発生にどれほど影響するかが明らかになりました。

研究の背景


この研究は、岡山大学の若井拓哉准教授をはじめとする多くの研究者の共同作業によるもので、特に学術研究院環境生命自然科学学域のメンバーが中心となっています。研究チームは国際的にも著名な専門家たちとも連携し、鳥取県のミオ・ファティリティ・クリニックや東京農業大学、オーストラリアのモナシュ大学と協力しました。

医療面への応用


今回の成果が注目される理由の一つは、ヒトの体外受精においてもミトコンドリアの異常が観察されることがあるからです。この発見は生殖補助医療(ART)の安全性や効率性を向上させるための基礎的な知見となる可能性があります。これは 、今後の医療技術にも寄与することが期待されています。

視覚的な印象


実際の研究成果では、正常な受精卵ではミトコンドリアが均等に配置され、2つの娘細胞に対称的に分配されるのに対し、Drp1が欠損した受精卵では凝集したミトコンドリアが中心に偏り、不均等に分配される様子が確認されています。これが細胞分裂の異常を引き起こし、最終的に胚の発生に大きな影響を与えているのです。

若井准教授のコメント


若井准教授は「ミトコンドリアは母体から子どもに引き継がれ、受精卵の分裂過程での均等な分配が非常に重要です。これはまるで『財産の相続』のようです」と語っています。彼は研究を進めた大学院生や共同研究者たちに感謝の意を表しており、彼らの努力があったからこその成果であることを強調しました。

まとめ


岡山大学でのこの研究は、受精卵や初期胚の発生におけるミトコンドリアの役割を解明した重要なステップとなりました。今後、これらの知見が医学や生殖技術の進化にどのように活かされるかが期待されます。さらなる研究や技術の進展に注目が集まります。


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会社情報

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国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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