千葉大学が地域産業の創出に向けた新しい挑戦
千葉県では「令和7年度ちば地域産業創出実証プロジェクト補助金」により、地域特性や資源を活かした産業創出を目指す実証実験が行なわれています。このたび、国立大学法人千葉大学が代表申請者となる2つのプロジェクトが見事に採択され、地域社会とともに新しい取り組みを進めることが決定しました。
プロジェクトの目的と背景
この補助金は、中小企業や大学など幅広い主体が連携し、地域の特性を生かした実証プロジェクトに対する支援を提供します。千葉大学はその革新性を活かし、地域の未来を見据えたプロジェクトを実施します。今後、これらの成果を基に持続可能な地域産業のモデルを構築することを目指しています。
プロジェクト詳細
プロジェクト 1: ブルーカーボンとヨウ素製造のリンクプロジェクト
このプロジェクトは、国際的に需要が高まるヨウ素生産を促進することを目的としています。海藻からのヨウ素生産技術を実証し、海藻養殖業の振興を狙っています。
- - 企業パートナー: 株式会社銚子漁業共生センター、株式会社小林海苔店、株式会社キミカ
- - 担当教員: 荒井 孝義 教授、富樫 辰也 教授
荒井教授は、「磯焼けが問題視される現状において、海藻養殖が果たす役割は重要です。ヨウ素は様々な用途で必要とされており、このプロジェクトを通じて次世代に資源を繋げていきたい」とコメント。海藻による炭素固定(ブルーカーボン)を推進し、地域の持続可能性を高めることが期待されています。
プロジェクト 2: 健康促進コミュニティの創出
こちらのプロジェクトでは、高齢者の健康寿命を延ばすための研究が行われます。具体的には、『筋量・筋質イメージング・ウェア』のプロトタイプを使用し、老化に伴う筋量・筋質の変化をリアルタイムで確認できる仕組みを実証します。
- - 企業パートナー: 株式会社アイ・メデックス、社会福祉法人泉寿会、千葉市
- - 担当教員: 武居 昌宏 教授
このプロジェクトでは、ウェアを装着するだけで筋肉の状態を可視化する新技術の実証が行われ、地域の高齢者の健康を支援することを目指しています。武居教授は、「最新技術を用いた健康街づくりを進め、健康で活き活きとした生活を実現したい」と述べています。
これからの展望
これらのプロジェクトを通じて、千葉大学は地域資源を最大限に活かし、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出しました。今後、地域の企業や関係者と共に、具体的な成果を期待しながら進めていくことでしょう。千葉の豊かな自然と人々の健康を守るための新たな試みが、地域全体に良い影響をもたらすことを願っています。