メカノクロス、メカノケミカル有機合成研究会第3回チュートリアルを成功裏に開催
2025年9月26日、株式会社メカノクロス(本社:北海道札幌市)は、北海道大学と共同で「メカノケミカル有機合成実装研究会」の第3回チュートリアルをフード&メディカルイノベーション国際拠点(FMI)にて盛大に実施しました。このイベントは、メカノケミカル有機合成の社会実装に向けた重要なステップとして、参加者に貴重な知見を提供しました。
講演とプログラムの概要
本チュートリアルでは、参加企業や研究者が集まり、最新技術の開発状況を報告し、重要な講演が行われました。特に注目されたのは、株式会社メカノクロスの取締役であり、メカノケミストリー研究の権威である北海道大学の伊藤肇教授による特別講演です。教授は、ポリマーへのメカノケミカル応用について詳細に解説しました。
伊藤教授の講演内容
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ポリスチレン(PS)の分解: ボールミルを用いてスチレンを再収集し、高機能材へのアップサイクリングの提案。
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ポリエチレン(PE): 水とAl₂O₃を用いることで、80%以上を短鎖アルカンやアルコールに分解可能とした。
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ポリエチレンテレフタレート(PET): 短時間で約90%のテレフタル酸を再収集。
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バイオポリマー: セルロースのナノファイバー化やキチンの可溶化の手法を紹介。
メカノケミカル合成とその技術
教授は、メカノケミカル手法を利用した新規ポリマー合成や、機械的刺激による反応の可能性についても言及。特に、ポリマー内部でラジカルを生成し、反応を進行させる技術が注目されました。この手法は、高分子合成の新たな突破口を開く可能性があります。
参加者の反応
参加者からは、学術と産業の融合を体現した内容に対する高い関心が示されました。懇親会や質疑応答の場では、具体的な技術展開に関わる活発な意見交換が行われ、今後の共同研究や事業連携への期待が高まっています。
メカノクロスの今後の取り組み
今回のイベントを通じて、メカノクロスは企業との共同開発や研究協力を強化し、メカノケミカル有機合成技術の実用化を一層推進していく方針を示しました。新たに就任したCOOの坂田一樹は、技術の社会実装に向けた取り組みを確実に進めていくと表明しました。特に、脱溶媒化や高効率合成プロセスの革新を目指し、産業界全体に貢献することを誓っています。
結論
この第3回チュートリアルは、学術界と産業界をつなぐ「実践の場」の重要性を改めて感じさせるものでした。参加者は、メカノケミカル技術の可能性を理解し、今後の展望に胸を膨らませていました。
メカノクロスは、北海道大学を始めとする多くのパートナーと協力しながら、新しい材料や製品の開発に取り組んでいく予定です。今後も各社の協力を得ながら、より良い未来を築いていくことを目指します。