秋田県大館市で自動運転の実証実験がスタート!WILLERとティアフォーが地域活性化に貢献
秋田県大館市で、自動運転技術を活用した画期的な実証実験が11月16日より開始されました。このプロジェクトには、モビリティサービスを提供するWILLER社と、自動運転システム開発のティアフォー社が中心となって参画しています。大館市街地を舞台に展開される本実験は、高齢化や過疎化が進む地域社会における交通問題の解決策として注目を集めています。
実証実験の目的と背景
大館市は、「先導的共生社会ホストタウン」として、誰もが暮らしやすい社会を目指しています。今回の実証実験は、自動運転技術を導入することで、移動手段の不足に悩む地域住民の生活を豊かにすることを目指した取り組みです。具体的には、自動運転による移動サービスの提供を通じて、外出機会の増加、移動格差の解消、ひいては地域全体の幸福度向上を目指しています。
本実験は、国土交通省の補助金を受けて実施され、自動運転サービスの社会受容性の向上と、持続可能なビジネスモデルの構築が大きな目的です。WILLER社は、サービス開発やアプリ開発などを担当し、ティアフォー社は自動運転システムと車両を提供することで、両社の技術が融合した取り組みとなっています。
実証実験のポイント
今回の実証実験は、昨年の郊外での実験を踏まえ、より実践的な内容となっています。主なポイントは3つあります。
1.
市街地での走行実験: 昨年は郊外エリアでの実験でしたが、今回は市街地での走行実験を実施。より複雑な交通状況での自動運転技術の精度向上を目指します。車両も、最高時速35kmで走行可能な小型EVバスに変更され、雨天時の信号認識精度向上も課題となっています。
2.
MaaSとの連携: 運賃収入以外の収益モデルを探るため、AIオンデマンド交通サービス「大館版mobi」との連携アプリを開発。自動運転サービス利用者にmobiチケットの試乗券を提供することで、新たな収益モデルの可能性を探ります。
3.
社会受容性の向上: 試乗会やパネル展示などを通じ、地域住民への情報発信と理解促進を図ります。自動運転技術への理解を深め、社会全体の受容度を高めることが、サービスの成功に不可欠です。
将来展望
WILLER社とティアフォー社は、本実証実験を通じて得られた知見を活かし、地域交通の課題解決に貢献していきます。自動運転サービスと既存の交通手段や観光・福祉事業などを連携させることで、地域全体の利便性を向上させ、地域経済の活性化を目指しています。
自動運転体験会
一般住民も参加できる自動運転体験会も実施予定です。11月16日~18日の3日間、大館駅周辺を循環するルートで運行されます。いとく大館ショッピングセンターや大館市立総合病院も経由し、利便性の高いルート設計となっています。定員は12名/便で、出発3時間前までの予約が必要となります。詳細は特設サイトをご確認ください。
自動運転システム
自動運転システムには、LiDAR、カメラ、レーダーなど複数のセンサーが搭載されています。これらのセンサーが収集した情報を基に、周囲の状況を正確に把握し、安全に走行します。
車両スペック
使用車両はティアフォー社製の小型EVバスで、定員15名(実証実験では10名+運行関係者)、全長7.19m、全幅2.32m、全高3.03mです。最高速度は35km/hに制限されています。
まとめ
本実証実験は、自動運転技術が地域社会に貢献できる可能性を示す、重要な取り組みです。WILLER社とティアフォー社の技術力と、大館市の積極的な姿勢が相まって、未来の地域交通の姿を切り開くことが期待されます。