共同研究の開始
京都府立医科大学と株式会社Rhelixaは、新たな共同研究「DNAのメチル化プロファイルに基づくエピゲノム年齢の測定および臨床的意義の検討」を開始しました。この研究は、京丹後長寿コホート研究の参加者を対象として、エピゲノム年齢を測定し、その臨床的意義を探求することを目的としています。さらに、この研究には近畿大学アンチエイジングセンターの山田秀和医師が専門的な助言と協力を行っています。
研究の背景
近年、DNAメチル化プロファイルを基にしたエピゲノム年齢(Epigenetic Age)が生物学的年齢を示す新しい指標として注目されています。この指標は個人の加齢や健康状態、さらには慢性疾患リスクとの関連が示唆されており、臨床での応用が期待されています。特に、百寿者が多く見られる京丹後市を舞台とした「京丹後長寿コホート研究」は、健康長寿のメカニズム解明に向けた重要なデータを提供しています。本研究では、同コホートの参加者を対象にエピゲノム年齢を評価し、臨床的意義を評価することに加え、長寿者の健康に影響を与える因子の探索にも取り組んで行きます。
具体的な研究内容
本共同研究の計画には、以下の具体的な取り組みが含まれています:
1.
エピゲノム年齢の測定
京丹後長寿コホート研究の参加者から得たサンプルを解析し、そのDNAメチル化プロファイルを調べることでエピゲノム年齢を算出します。
2.
生物学的老化傾向の評価
DNAのメチル化パターンやエピゲノム年齢と、参加者の生活習慣、運動機能、臨床情報との関連性を分析し、参加者の生物学的老化の傾向を評価します。
3.
健康長寿への寄与因子の探索
生物学的な老化傾向から見えてくる健康長寿に寄与する背景因子についての探索を行い、健康長寿を支える要因を特定します。
期待される成果
この研究によって得られる成果は、京丹後市における長寿者の健康な老後を支える要因を解明するだけでなく、広く一般においてもエピゲノム年齢推定の臨床的価値を確立し、病気予防や健康管理に寄与することが期待されています。また、日本抗加齢医学会との連携を通じて、研究結果が医療現場での実践に役立つことが望まれています。
この新たな研究が、京丹後の長寿者たちの健康を支える秘密を解き明かすと共に、他地域への応用や健康づくりに向けた新たな思考を促進することを期待しています。