盛岡市の美食シーンに新たな波が訪れました。株式会社タルトタタンが立ち上げた新スイーツブランド「コメとタタン」が、令和7年9月19日に販売を開始しました。これは、盛岡産の米粉を使用し、地域特産品の魅力を引き出すことを目的としたものです。
スイーツブランド誕生の背景
盛岡市は、岩手県の県庁所在地でありながら、農業生産額が県内で第2位、東北管内では第5位を誇る農業の街でもあります。しかし、最近では農家数の減少や高齢化が深刻な問題となっています。このような状況を改善するため、盛岡市は「第2期もりおかの食と農バリューアップ推進戦略」を策定し、地域の農畜産物の高付加価値化と需要拡大に取り組むことになりました。この戦略の一環として、農業と他産業の連携を強化するための「美食王国もりおかイノベーション事業補助金」が設立され、地域事業者の支援が始まりました。
「コメとタタン」の魅力
新ブランド「コメとタタン」は、盛岡市内の洋菓子店タルトタタンが手掛けています。本ブランドは「盛岡の恵を『ほっ』とする一口に」というコンセプトの下、地域の農産物を最大限に引き出し、消費者に新しい食体験を提供したいという想いから生まれました。計画的に地元生産者と連携し、盛岡産の高品質米粉を使用したスイーツの開発に取り組んでいます。
開発を進める中で、鶴尾製造部長は、「お菓子を通じて消費者と生産者のつながりを作ることが大切です。岩手の食材を活用し、その魅力を伝えるお菓子を提供したい」と語っています。このような理念の下、地元に根ざしたスイーツが誕生しました。
商品ラインアップ
「コメとタタン」では、米粉を使った様々なスイーツが幅広く展開されています。特に人気の高い米粉バウムや米粉ガレットは、しっとりとした食感が特徴です。これらの商品は、タルトタタンの直営店や公式オンラインショップで購入可能で、多くの消費者から高い評価を受けています。
地域経済への影響
「コメとタタン」の立ち上げは、盛岡市の農業と経済の持続可能な発展に向けた大きな一歩となります。地元の農家との連携を深めることで、農産物の付加価値向上を図り、地域の魅力を伝える役割を果たしています。加えて、消費者への地元農産物の認知度も高まることで、盛岡市が「美食王国」としての地位を確立することにも寄与しています。
今後の展望
今後はさらに多様な商品の展開や、他の地域事業者とのコラボレーションが期待されます。また、盛岡市は他にも「株式会社ベアレン醸造所」とのシードル開発や「有限会社秀吉」によるお土産品開発など、地域農業の活性化に向けた取り組みを進めています。
まとめ
「コメとタタン」は、単に美味しいスイーツを提供するだけでなく、地域の農業と経済をつなぐ架け橋でもあります。盛岡市の豊かな食文化と農業の宝を多くの人に伝えるため、今後の展開にも注目が集まります。ぜひ、この新たなスイーツブランドを味わってみてはいかがでしょうか?
【参考情報】
お問い合わせは、盛岡市農林部農政課食と農の連携推進室(TEL:019-626-2270)まで。盛岡市の新しい取り組みにぜひご注目ください。