福岡地区に新たにパワーデバイス工場が完成予定、100億円の大型投資で産業を加速

福岡地区に新設されるパワーデバイス製作所の工場

2023年3月14日、三菱電機株式会社は福岡地区に新たなパワーデバイス製作所の工場棟を建設する計画を発表しました。この新工場への投資額は約100億円で、2026年10月に稼働が開始される予定です。

パワー半導体の需要拡大

近年、脱炭素社会の実現が求められている中、電力を効率的に変換するための重要なデバイスであるパワー半導体の需要が急増しています。特に、インバーターの小型化や設計簡素化を実現するパワー半導体モジュールは、電気自動車や各種民生機器、再生可能エネルギー機器など、さまざまな分野で活用されており、市場の拡大が期待されています。

三菱電機はこの需要に応えるため、福岡地区のパワーデバイス製作所に新工場を設立し、モジュール組立や検査工程の効率化を図ります。新工場は既存の生産ラインを集約し、製品の受入れから製造、出荷までの全工程を最適化することを目指しています。さらに、生産管理ツールを導入することで、生産性の向上にも取り組みます。

生産体制の強化

新工場では、製品開発力の向上を図り、設計から生産に至るまでの一貫した体制を強化します。この取り組みにより、需要の高まりに迅速に応える体制を構築し、各業界におけるパワーエレクトロニクス機器の省エネルギーやGX（Green Transformation）への貢献を目指します。

加えて、工場の建設にあたり、福岡県からはグリーンアジア国際戦略総合特区の法人指定も受けることが決定しています。この特区は、環境を重視した新たな産業構造を追求するために設置されており、国際的な競争力強化に寄与することを目的としています。

新工場の基本情報

福岡市西区今宿東に新設される工場棟は、延床面積が約25,270平方メートルに達し、鉄骨造・5階建て。主にパワー半導体モジュールの組立および検査を行う工程が担当されます。

新工場では、環境対策として換気効率の良い空調システムや高効率機器を使用し、さらには太陽光発電設備の導入も計画されています。これにより、環境に配慮した生産体制の構築を目指します。

100年以上の歴史を持つグループ

三菱電機グループは、1921年の創業以来、さまざまな事業を展開してきました。今回の新工場建設は、持続的な企業活動の一環で、社会や環境に寄与することを目指しています。グループ全体で約15万人の従業員を有し、2023年度の連結売上高は5兆2,579億円に達しています。

このように、福岡地区に新しいパワーデバイス製作所の工場が建設されることは、地域経済だけでなく、脱炭素社会の実現に向けた大きな一歩とも言えるでしょう。

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