日銀利上げの影響
2025-01-24 13:26:27

日銀の利上げがもたらす企業への影響と経常利益の変化について

日銀の追加利上げが企業に与える影響



日本銀行が2024年1月24日に政策金利を0.25%から0.5%に引き上げる決定を下しました。この決定は、2024年7月以来、約6ヵ月ぶりの金利アップであり、多くの企業に多大な影響を及ぼすと予想されています。

借入金利の上昇が企業に与える影響



この利上げにより、企業の借入金利が0.25%上昇することが見込まれています。それによって、各企業は年間約68万円の利息負担が増加することとなり、経常利益は平均で2.1%も押し下げられる試算です。さらに、経常利益が黒字の状態から赤字へ転落する企業も、新たに約1.8%発生する可能性があるとされています。

帝国データバンクは、約9万社の企業財務データを調査し、利上げが企業に与える影響を分析しました。この調査によると、借入金利が0.25%上昇した場合、影響を受ける企業においては利息負担が年間68万円増加し、経常利益は2.1%減少する結果につながるとしています。

業種別の影響



業種による影響度にも差があります。特に不動産業は影響が大きく、借入金利の上昇によって利息負担が1社当たり年間約272万円増加する見込みです。この業種では経常利益は5.5%も減少し、赤字に転落する企業も3.8%に達するとされています。

一方、建設業は比較的低い影響を受けるとされ、利息負担は年間21万円の増加にとどまり、経常利益も1.6%の減少にとどまります。

企業の対策と今後への懸念



企業はコスト増加分を価格転嫁することによって、収益改善を図ろうとしている動きが見られますが、それでも小幅な金利上昇には一定の耐性を持つ企業もあれば、収益力が乏しい企業にとっては非常に厳しい局面となることが懸念されます。

また、もし今後さらに金利が1.00%まで上昇した場合、赤字へ転落する企業の割合は0.25%の上昇時に比べて3.7倍に増加することが予想されています。これは、企業が金利上昇に対して適切に対応できていないことを示唆しています。

金利上昇の背景



最近のデータによると、2024年11月時点の貸出約定平均金利は0.868%となり、短期プライムレートも上昇の方向にあります。これは「超低金利の世界」から「金利のある世界」への変化を示しており、多くの企業が金利上昇に備えて資金調達を急ぐ動きも見受けられます。

しかし、業況が悪化している中小企業にとっては、支払利息の増加がさらなる負担となり得るため、今後の動向には注意が必要です。企業はこれらの変化に柔軟に対応する必要がありますが、その状況がどのように変化するか、引き続き監視していくことが重要です。


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