2024年9月20日から10月20日まで、東京の豊洲キャンパスにて「PAPER SANCTUARY ~ウクライナ難民の現実と詩~」が開催されます。この展覧会は、世界的に知られる建築家、坂 茂氏による特別企画です。坂氏は、本学建築学部の特別招聘教授として活動しており、今回のプロジェクトは彼の建築理念と社会貢献の融合を示しています。
この展覧会では、ウクライナ侵攻によって逃れた難民の現実に焦点を当てています。坂氏が災害時に避難所のプライバシーを確保するために設計した紙の間仕切りシステム(PPS)を利用した展示が行われます。こうしたデザインは、実際にポーランドやスロバキア、フランスなどの近隣国に避難したウクライナの人々によって使用されてきました。
展示内容の一部には、難民が表現した詩や彼らの生活を捉えた写真が含まれ、彼らの声を直接届けることを目的としています。このアプローチは、単に展示物としての価値だけでなく、難民の実情に対する理解を深め、感情的なつながりを生むことを重要な目的としています。
さらに、坂氏の作品に加えて、彼が設計した建築物とともに、学生が参加した支援活動や、世界中の災害支援とボランティアに関する情報も紹介されます。これにより、観客は社会への貢献と建築の持つ力を感じ取ることができるでしょう。
本展の開催期間は、毎日10時から17時まで、最終入場は16時30分です。入場は無料で、どなたでも気軽に訪れることができます。主催は芝浦工業大学建築学部で、坂茂建築設計やボランタリーアーキテクトネットワーク(VAN)との共催で行われています。また後援団体には、一般社団法人日本建築学会や公益社団法人日本建築家協会など、著名な団体も含まれています。
坂 茂氏は、1957年に東京で生まれ、アメリカのクーパー・ユニオンで建築を学びました。世界中で多くの革新的な建築を設計し、災害時には積極的に支援活動に携わってきた彼の活動は、国際的に評価されています。特に紙管を使用した建築や木材を使用した構造は、彼の代表的なスタイルとして知られています。彼は、プリツカー建築賞など数々の名誉を受賞しており、その影響力は建築界にとどまらず、社会全体に広がっています。
芝浦工業大学自体も、学生の海外派遣数が多く、地域との連携を強化するために「交流プラザプロジェクト」を進めています。2024年度の建築家展として、坂氏の作品が紹介されることは、この大学にとって大きな意味を持つイベントです。今後も学校や社会とのつながりを深め、教育・研究に取り組んでいく姿勢を示しています。
このように、坂 茂氏の建築哲学を体験しながら、現代社会が抱える問題への理解を深める貴重な機会を提供します。ぜひ、多くの方に訪れて欲しい展覧会です!