島根県雲南市が描く未来へのビジョン
島根県雲南市は、「第1回ふるさと納税未来創造AWARD」にノミネートされた自治体のひとつとして、その取り組みを公に紹介しています。ここでは、特に注目されている「子ども・学び推進賞」にエントリーしている「雲南スペシャルチャレンジ」と題した活動について詳しく見ていきます。
取り組みの背景と目的
雲南市では、年々進行する人口減少と高齢化の問題に直面しています。この先、さらなる人口減少によって住民サービスの縮小や税収の減少が懸念される中、地域コミュニティのつながりを大切にしながら新しい人材を育てていく必要性を感じています。そこで、先代から受け継がれてきた「人と人」「人と自然」「人と歴史・文化」のつながりを次世代に引き継ぐことを目指し、独自の「まちづくりの担い手」を育成することが新たな課題として浮上しました。
チャレンジ推進条例の制定
雲南市では、地域課題に取り組む人材の育成と確保を目的として「チャレンジ推進条例」を制定しました。これにより、市全体が「日本一チャレンジしやすいまち」として、子どもや若者、大人、企業を支援し、個々の成長をサポートしています。大きくは、プロジェクトの伴走支援や資金的な支援により、地域のより多くのプロジェクト開催が可能となりました。
具体的な成果と反響
最初の頃は、支援者の獲得や活動の認知度向上に苦労したものの、ジュニア世代(中高生)には、地元の伝統である出雲神楽を広めるプロジェクトを実施し、多くの高校生が地元の社中と連携、一緒に自主公演を行うなどの活動が見られます。さらに、スぺチャレのOB・OGとなった若者たちが後輩をサポートする動きも生まれています。
また、大学生のユース世代においては、このプロジェクトを契機に地元企業へ就職するケースが増え、スペチャレの活動を仕事の中でも活用する例も見受けられます。さらに、若者たちの間では、耕作放棄地を利用した綿花の栽培や、猪の加工場を設けたことによって新たな販路の開拓が進むなど、次々にチャレンジの連鎖が生まれてきています。
持続可能な地域社会への願い
雲南市の取り組みは、個々の成長だけではなく、地域の持続可能な発展を強く意義を持って支えています。その下には、「今だけ、自分だけではなく、次世代に向けたつながりが大事だ」という考え方が根づいています。これにより、地域全体が幸せで持続可能な社会を築いていけるのです。
さらに、スペチャレを経た経験者がプロジェクトに関わり続けることで、新たな世代を育てていく仕組みが出来上がっています。
新しい発想で地域の宝を守る
雲南市の「雲南スペシャルチャレンジ」は、従来の枠にとらわれない新しい発想で地域課題の解決に挑んでいます。受け継がれてきた大切なものを守りつつ、必要な部分を柔軟に変えていくことで、自然や歴史、文化を次世代へと引き継いでいくことが目標です。
この取り組みは、全国的にも注目されており、ふるさと納税を通じて地域にどのように貢献するかの透明性をしっかりと確保し、地域の価値を高めることを目指しています。
ふるさと未来創造コンソーシアムの役割
この記事を通じて紹介した一般社団法人 ふるさと未来創造コンソーシアムは、全国各地のふるさと納税の実施状況を集約し、その成果を透明にする活動を行っています。寄付を行った方々と受益者である地域の人々、企業の声を集めることで、寄付が地域に与える影響や価値を常に見える形で示しています。
地域が自らの宝を守り育てていく姿は、多くの人に感動を与え、未来への希望を広げています。