タカヤ株式会社が春季講演大会で優秀賞を受賞
タカヤ株式会社は、岡山県井原市に本社を構え、エレクトロニクス分野において重要な役割を果たしています。このたび、同社は「第38回 エレクトロニクス実装学会 春季講演大会」において、優秀賞を受賞しました。主なプレゼンテーションは「JTAG検査とフライングプローブテスタを組み合わせたハイブリッド検査システムの最新動向」についてでした。
エレクトロニクス実装学会とは
一般社団法人エレクトロニクス実装学会は、日本国内のエレクトロニクス実装技術に特化した学会で、約2400名の研究者や技術者が参加しています。その目的は、日本のエレクトロニクス産業の進展を支援し、最新の技術情報を共有することです。同学会は春と秋に講演大会を開催し、業界の最前線にある技術を発表しています。
受賞の背景
受賞に至った講演内容は、実装基板の電気試験についてのものでした。現状の検査手法では、単一の方法だけでは多様な問題を解決するのが難しいため、タカヤが提案したのがJTAGバウンダリスキャンテストとフライングプローブテスタの組み合わせによるハイブリッド検査システムです。この新しいアプローチにより、より広範なテストが可能になり、不良箇所の正確な診断が実現しました。
JTAG検査の特長
JTAG検査手法は、高密度実装基板における検査問題を解決するために開発された技術です。特に、デバイスが基板の裏側に隠れた場合でも実装不良を検出できる特長を持ち、デジタル回路の検査において効果を発揮します。
フライングプローブテスタの利点
フライングプローブテスタは、基板上の任意の位置にプローブを移動させ、インサーキット検査を行う装置です。この機器は特別な治具なしで済むため、多種少量生産の基板に対応しやすく、コスト効率も良いのが魅力です。
ハイブリッド検査の革新
タカヤが提案するハイブリッド検査は、JTAG検査とフライングプローブテスタを緊密に連携させることにより、アナログ回路やデジタル回路、電源回路などさまざまな検査を可能にしました。このシステムにより、検査カバレッジが大幅に向上し、不良の特定と解析も迅速化されます。顧客のさまざまなニーズに応える柔軟性も持ち合わせており、業界に新たな価値を提供しています。
タカヤ株式会社の未来
タカヤ株式会社の技術部門は、今回の受賞を大きな励みにしてさらなる研究開発に努め、高品質な検査システムの提供を続けていく考えです。特に、業界標準を超える新しい基準を作るための挑戦を続ける所存です。
会社概要として、タカヤは1918年に設立され、繊維と電子の双方において技術力を磨いてきました。特に、1987年に開発したフライングプローブテスタは業界内で高いシェアを誇ります。タカヤの持続可能な社会を目指した製品開発は、今後も続いていくことでしょう。
タカヤ株式会社は、今後もさらなる技術革新を追求し、エレクトロニクス業界の発展に貢献していきます。