難病克服支援セミナー
2023-07-25 14:00:02
難病克服支援WEBセミナー開催報告:死生観ときょうだい児への理解を深める
第5回MBT難病克服支援WEBセミナー開催報告:いのちと向き合い、未来を拓く
2023年11月、MBTコンソーシアム主催の第5回難病克服支援WEBセミナーが開催されました。本セミナーは、参加費無料で、多くの医療関係者や患者、その家族が視聴しました。今回は、特に「死生観」と「きょうだい児」という二つの重要なテーマに焦点を当てた構成となっています。
第1部:「死を望むひとに私たちは何をすべきか」
岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野教授である下畑享良先生を講師にお迎えし、難病患者における死生観、そして医療従事者や家族がどのように向き合うべきかについて、深く掘り下げた講演が行われました。
下畑先生は、長年の臨床経験に基づいた様々な事例を紹介しながら、患者の感情や意思を尊重することの重要性を強調されました。単に医学的な視点だけでなく、患者の人間性、尊厳を大切にしたケアのあり方を説き、参加者へ強い印象を与えました。特に、患者が「死を望む」という状況に直面した際の、医療者や家族の対応について、倫理的な観点も含めた詳細な解説は、多くの参加者にとって学びの多い時間となったようです。
質疑応答の時間では、参加者から具体的なケースに関する質問が多数寄せられ、下畑先生は一つ一つ丁寧に回答されました。この質疑応答を通して、参加者同士の意見交換や情報共有の場も自然と形成され、セミナーの価値を高めました。
第2部:「もしきょうだい児という言葉を知っていたら」
第2部では、特定非営利活動法人未来ISSEY代表の吉田ゆかり氏を講師にお迎えし、「きょうだい児」問題を取り上げました。きょうだい児とは、難病や重い障害を持つ子どもの兄弟姉妹のことです。彼らは、多くの場合、周囲の理解を得られず、精神的な負担を抱えています。
吉田氏は、自身の経験や、これまで支援活動で関わってきた多くのきょうだい児の事例を交えながら、彼らの置かれた状況や抱える課題について分かりやすく解説。きょうだい児への支援の必要性、そしてその具体的な方法について、熱意をもって訴えかけました。講演では、きょうだい児が抱える孤独感や、社会からの偏見、そして家族全体が直面する困難さなどが語られ、多くの視聴者に深い共感を呼びました。
特に印象的だったのは、きょうだい児に対する社会的な理解を促進するために、私たち一人ひとりができることについて語られた部分です。具体的なアクションプランを示唆することで、参加者はセミナー後も積極的に行動を起こそうという意欲を高められたようです。
MBTコンソーシアムの取り組み
MBTコンソーシアムは、奈良県立医科大学と連携し、医学の知見を地域社会に還元する活動を行っています。今回のセミナーも、その一環として開催されました。医学を基礎としたまちづくり(Medicine-Based Town)を推進することで、地域社会の活性化、そして難病克服への貢献を目指しています。
このセミナーは、単なる情報提供の場にとどまらず、参加者同士の繋がりを深め、共に学び、共に考える貴重な機会となりました。MBTコンソーシアムの今後の活動にも期待が高まります。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人 MBTコンソーシアム
- 住所
- 奈良県橿原市四条町840番地奈良県立医科大学 基礎医学棟4F
- 電話番号
-
0744-29-8853