新たなフィッシング詐欺対策技術が開発される
株式会社ARISE analyticsとKDDIデジタルセキュリティ株式会社(以下KDSec)は、セキュリティ領域における共同研究を進め、フィッシング詐欺対策に対応する新しいアルゴリズムを開発しました。両社の豊かな知見と技術を活かして、フィッシング詐欺に対抗する新たな手法が誕生したのです。
共同研究の背景
ARISE analyticsは、KDDIのデータドリブン経営を推進するために設立された企業であり、通信業界における高度なネットワークセキュリティ技術に特化しています。一方で、KDSecは、企業のデジタルトランスフォーメーションを支えるサイバーセキュリティ対策に強みを持つデジタルセキュリティ会社です。両社は2022年から共同研究を開始し、今回のアルゴリズムはフィッシング詐欺の課題を解決するために開発されたものです。
技術活用の詳細
従来のフィッシング詐欺サイト検知技術では、主にURLテキストのキーワード検知やWebコンテンツのテキストベースでの検知が行われており、正常なサイトと誤って判断される「過検知」や、近年の難読化されたフィッシングサイトに対する検知漏れが問題となっていました。それに対処するため、KDSecはWebサイト全体のスクリーンショットから正常サイトとの類似度を解析する手法を採用してきました。
今回、ARISE analyticsが持つ画像解析技術や自然言語処理、機械学習技術が活用され、新たな検知アルゴリズムが共同開発されました。このアルゴリズムは、フィッシングサイト特有のキーワードである「ログイン」や「ユーザID」、「パスワード」を画像から高精度で読み取れることが特徴です。さらに事前に一部の画像を登録することで、多様なフィッシングサイトに対応可能となり、過去の手法と比較しても、はるかに高速かつ高精度な検知が実現されます。
このような技術革新により、フィッシングサイトの検知漏れを減少させるばかりか、除外作業やアラート管理の負担も軽減され、お客様にさらなる安心感を提供できる可能性が広がります。
提供開始と今後の展望
新たに開発した検知アルゴリズムを搭載したソリューションは、KDSecより2024年9月2日に提供開始される予定です。この新技術を通じて、両社はさらなる技術革新を続け、セキュリティ領域におけるさらなる挑戦を行っていくことを目指しています。
企業情報
ARISE analyticsについて
ARISE analyticsは、KDDIとアクセンチュアによるジョイントベンチャーとして2017年に設立され、国内最大規模のデータを活用し、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。
公式サイト:
ARISE analytics
KDDIデジタルセキュリティ株式会社について
KDSecは、KDDIと株式会社ラックのジョイントベンチャーとして設立され、豊富なサイバーセキュリティの知識を元に、企業活動を支援しています。
公式サイト:
KDDIデジタルセキュリティ