現代社会の“生きづらさ”をえぐる、衝撃的な舞台作品
「かわいいコンビニ店員飯田さん」は、2012年に旗揚げされた舞台創作チームです。代表の池内風さんは、高校時代から「社会」と「自分」の価値観の違いに疑問を持ち、独学で深層心理学を学んだ経験から、社会の弱者と強者、双方にとっての「心の貧しさ」をユーモラスに表現することを得意としています。
2022年より活動を再開した同チームは、現代社会のストレスをテーマにした作品を次々と発表してきました。2022年の『とりあって』では、ハラスメント、2023年の『悼むば尊し』では、いじめと自殺を描きました。いずれも社会問題に正面から向き合った作品で、観客から大きな反響を呼びました。
新作となる『空腹』は、貧困をテーマに、シェアハウスに住む人々の生活を描いた作品です。夢も希望もなく、ただ毎日を無目的に過ごす人々。彼らの切実さ、侘しさ、優しさ、そして孤独が、リアルに描写されています。
池内風さんは、本作について「苦しい時にこそ人は笑い、唄うのだ」としながらも、「本当にヤバい時は笑えないぞ?」と疑問を投げかけます。
演劇を通して、観客に現代社会で生きる私たち自身の心の奥底にある、喜びと虚しさを同時に突きつけます。決して楽しい物語ではありませんが、観終わった後、心の中に何かが蠢いてくるような、そんな作品に仕上がっているはずです。
「空腹」あらすじ
現代ストレスを描いた物語の第三弾となる『空腹』は、底辺シェアハウスに住む訳ありの人々を描きます。
夢もなく、希望もなく、ただ毎日を無目的に生き、その日暮らしを送る人々。
彼らは、ジワジワと上がる家賃、減る一方の仕事と収入、そして新たな入居者という変化に翻弄されながらも、人生の終着点を迎えようとしています。
しかし、そんな彼らも、それぞれに「生きる」ことを模索し、懸命に生きています。
観劇前に知っておきたいこと
本作は、人間の善悪の両面を描いているため、観客によってはストレスを感じる可能性があります。
また、シーンによってはグロテスクな表現が含まれています。
ストレス耐性に自信がない方、過去に対人関係で辛い経験をした方は、観劇前に注意が必要です。
「空腹」公演情報
公演期間: 2024年7月11日(木)~2024年7月21日(日)
会場: 下北沢OFF・OFFシアター(東京都 世田谷区北沢2-11-8)
チケット料金: 全席指定 4,500円(税込)
「空腹」は、現代社会の“生きづらさ”を、ユーモラスでありながらも鋭くえぐり出す、衝撃的な作品です。
ぜひ劇場で、この作品の世界に触れてみてください。