中古車相場高騰が続く理由と6月の販売動向
中古車市場の動向が注目されています。2024年6月、株式会社ファブリカコミュニケーションズが運営する情報サイト「車選びドットコム」は、中古車の販売台数や登録台数のデータ分析を行い、その結果をまとめました。新車登録台数は前年と比べて回復傾向にあるものの、なぜ中古車相場が高騰を続けているのか、その原因に迫ります。
新車登録台数と中古車市場の動き
2024年6月の新車登録台数は、前月比で119.6%の増加を示しています。新車需要が高まる時期ではありますが、今年は特に大きな増加が見られます。しかし、中古車登録台数は前月比96.2%と減少しており好調とは言えません。特に良質な車両の流通が不足しており、それが相場の高騰に影響しています。
前年比で見ると、新車登録台数は95.1%、中古車登録台数は93.2%と、前年を下回る結果です。この時期は例年、新車同様に中古車登録も増加する傾向があるため、登録台数の減少は異常事態と言えるでしょう。元々深刻な玉不足に加え、コロナ禍の影響が再び表面化しているようです。
需給バランスと高騰の原因
新車の製造に関しては、大手メーカーが直面する検査不正や部品欠品も影響しています。そのため、新車の安定供給が難しくなり、結果として中古車市場への影響が出てきています。5月には新車供給が安定する見込みが報じられていましたが、蓋を開けてみると流通は依然として厳しく、新車への需要がなかなか落ち着かない状況です。
また、最近の円安も中古車相場に影響を与えています。国内市場から減少した中古車が海外に流出する傾向が強まっており、特に円安で輸出先の需要がさらに高まっていることが背景にあります。このトレンドの影響で、国内の供給が不足し、相場は高値を維持しています。でも、円高への転換が見え始める今、将来的には市場が安定するかもしれません。
中古車の人気ランキング
「車選びドットコム」によると、2024年6月の国産車の中古車販売傾向では、軽自動車が引き続き人気を維持しています。ボディタイプ別では、軽自動車が31.1%のシェアを持ち、ミニバンやコンパクトカーも人気があります。また、車種別ではトヨタのプリウスが1位をキープし、セレナやワゴンR、N-BOXも高い人気を誇っています。
まとめと今後の展望
中古車相場が高騰している理由は複合的です。市場の需給バランスが崩れており、高品質の車両不足や新車供給の不安定さが影響を与えています。しかし今後、円高になって市場が安定すれば、これまでのトレンドが逆転する可能性も期待できます。また、8月の連休後には相場の変動が予想されるため、引き続き注目していく必要があります。市場の動向を受けて、販売店や消費者の皆さんはしっかりと情報を追っていきましょう。