1.背景と目的
和歌山市で新たに始まる自動運転EVバスの実証運行は、現代社会が抱える地域交通の課題解決に向けた取り組みです。少子高齢化と人手不足、さらに2024年問題など、地域の公共交通機関は厳しい状況に直面しています。これに対し、自動運転技術の導入が注目されています。
国政においては、2025年度までに約50か所、2027年度には100か所を目指して自動運転移動サービスの実現を図ろうとしています。この和歌山市の実証運行は、その一環として、地域のバス事業者の人員不足解消や観光輸送手段の確保、さらには地域活性化に寄与することを目的としています。
2.本事業の概要
和歌山市における自動運転EVバスの実証事業は、2025年1月29日から2月9日までの12日間、1日6便の運行が計画されています。走行ルートはJR和歌山駅を起点とし、和歌山城公園前や岡公園前を巡る約5.3kmの循環ルートです。使用するバスは、Navya Mobility社製の「EVO」で、自動運転レベル2に基づいて運行します。
この実証実験では、運行の安全性や効率性を検証するため、信号連携や遠隔監視技術なども取り入れています。期待される乗車定員は12名で、実験中は最大で9名の乗車を想定しています。
3.各社の役割
このプロジェクトは、和歌山市とNTT西日本グループ、そしてマクニカの3社が協力して進めます。和歌山市は運営主体としてルート提供を行い、NTT西日本グループはプロジェクトのマネジメント及び技術面でのサポートを担当します。そして、マクニカは自動運転バスの提供と共に、運行体制の構築に貢献します。
4.今後の展開
本事業の結果をもとに、和歌山市ではさらなる自動運転レベル4の実証運行を目指します。地域の人々や観光客にとって、安全で快適な交通サービスの実現を目指し、着実に課題を克服していくことが求められます。
この新しい形の公共交通が、地域社会における持続可能性を高め、さらには周辺地域の振興にも寄与することが期待されています。