深海に眠るレアメタル資源を探せ！ワールドスキャンと東大が開発した探査システムが、水深1700mの海底で磁気データ取得に成功

深海1700mで磁気データ取得に成功！ワールドスキャンと東大が共同開発したレアメタル探査システム

株式会社ワールドスキャンプロジェクト（以下「ワールドスキャン」）と東京大学生産技術研究所（以下「東大生研」）は、共同で海底に眠るレアメタル資源の発見を目的とした探査システムの開発を進めています。

この共同研究チームは、ワールドスキャンが開発した新型磁気センサ「ジカイ」と東大生研ソーントン研究室が開発した3D画像マッピングシステム「SeaXerocks3」をROV（遠隔操作無人探査機）に搭載。2023年、資源が有望視されている水深1700mの海底において、磁気データ取得に成功しました。

海底磁気調査の成果と「ジカイ」の威力を証明

「ジカイ」は、水中ドローンのモーターノイズや磁気を帯びた物体の影響を受けにくく、深海環境でも安定した性能を発揮する新型金属探知センサです。

一方、SeaXerocks3は、海底の3次元画像マッピングを行う計測装置。カメラ、レーザ、フラッシュを組み合わせることで、海底面の精密な3次元画像マップを作成できます。

ROVに「ジカイ」とSeaXerocks3を搭載し、深海1700mで実施された海底磁気調査では、「ジカイ」による海底での磁気異常計測に成功。SeaXerocks3が取得した位置、底質、微地形データと磁気異常データを解析することで、磁気異常データの性質を評価しています。

海底資源マップ作成や洋上風力施設の点検など、未来の海洋開発への貢献に期待

深海には、銅、鉛、亜鉛などのベースメタルや、リチウムイオン電池の材料となるコバルトなどのレアメタルを含む海底鉱物資源が豊富に存在するとされています。

今回の研究成果により、深海の磁気異常計測を活用し、海底に眠るレアメタル資源の分布を把握することが期待されています。将来的には、正確な海底資源マップの作成や、洋上風力発電施設の点検など、海洋開発の様々な分野への貢献が期待されています。

ワールドスキャンと東大生研の共同研究は、海洋資源分野における実用化に向けた大きな一歩と言えます。今後も、先進的な技術を活用し、社会に貢献する研究を推進していくとしています。

ワールドスキャンプロジェクトと東京大学生産技術研究所について

ワールドスキャンは、2020年設立の企業で、ロボット、ドローン、Web3インフラ、汎用IoT端末などの研究開発、設計、製造、販売、輸出を行っています。

東大生研は、1949年に発足した国内最大規模の大学附置研究所です。約400名の教職員と約900名の大学院生が在籍し、工学のほぼ全領域を包含する総合工学研究所として、社会における様々な課題の解決や産業の創成に貢献しています。