BCWが発表した未来予測AIプラットフォームDecipher Indexとは

BCWが未来を見据えたDecipher Indexを発表

世界的なコミュニケーションエージェンシーであるBCWが、このたび新たに発表したのが「Decipher Index」だ。このプラットフォームは、認知人工知能（AI）を活用し、今後の社会に影響を与える重要なテーマを予測するために設計されている。

Decipher Indexの目的

BCWは、今後12か月間にわたって世界的に関心を集めると考えられる20以上のマクロテーマや課題を特定した。これを元に、テクノロジーパートナーのLimbik社と協力し、認知AIを使って蓄積したデータを分析し、今後の動向を予測している。このAIプラットフォームは、2024年に予定される多くの国々での選挙などを背景に、政治・経済不安を含む「ポリクライシス」の時代における企業や団体のリスクを軽減するための重要なツールとしての役割を果たす。

テーマの具体例

Decipher Indexでは、次のようなテーマが取り上げられ、ランキングが付けられる。・2024年選挙
・人工知能の進展
・ビジネスと中国
・ロシアでのビジネス
・気候変動の影響
・サイバーセキュリティ
・多様性とインクルージョン
・電気自動車
・エネルギー問題
・ヘルスケア
・移民問題
これらのテーマは、地域別にランキングされるため、企業はマーケティング活動をより戦略的に調整することができる。毎週木曜日に公式サイトで更新されるこのランキングは、企業にとって重要な情報源となるだろう。

Decipher Indexの意義

BCWのグローバルCEO、コリー・デュブロワは「2024年は変革と不確実性の年になる」と述べ、このツールが企業にとって重要である理由を力説している。同氏は、企業がレピュテーションやビジネスに対するリスクに事前に備えられる手段を提供できることが、Decipher Indexの最大の利点であると言及。これにより、各国で生じる不確実性を事前に把握し、適切なコミュニケーション戦略を立てることが求められている。

Limbik社の役割

また、Limbik社が開発したPotential for Impact（PFI）は、情報の脅威を前もって特定し、リスクを軽減するために設計されたプラットフォームだ。これにより、企業はその情報を基に新しいビジネスチャンスを発見し、効果的なコミュニケーション戦略を策定することが可能になる。

業界の反応

WPPジャパンのCEOである松下恭子もこのツールの重要性を強調し、BCWが発表したDecipher Indexが日本企業のグローバル化を推進するための役立つリソースになることを期待している。

BCW Japanのディレクターである石田友和は、Decipher Indexを利用することで企業がグローバルなコミュニケーション戦略を深められると説明。特に、日本企業が作成した戦略が地域固有の文化や流行を反映することが重要とのこと。