STマイクロエレクトロニクス、新型加速度センサを発表
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM)は、先進的な機械学習機能と省電力設計を兼ね備えた産業用MEMS加速度センサ「IIS2DULPX」を新たに発表しました。この製品は、高度なデータ駆動型オペレーションを実現し、アセット・トラッキングやロボティクス、工場自動化(FA)など幅広い分野での利用が期待されています。
IIS2DULPXが提供する機能
IIS2DULPXは、ホストプロセッサの負担を軽減するために内部AIを搭載し、消費電力を最適化する自己構成機能を持っています。これにより、メーカーはバッテリ駆動のスマートセンサノードを開発し、メンテナンスが不要な利便性の高いデバイスを実現しています。特に、IIS2DULPXはエッジ処理をこれまで以上に効率的に行うことができ、広い動作温度範囲—最大105℃まで—で機能します。
STのMEMSサブグループのマーケティング・ディレクター、タリク・スイベス氏は「新しい加速度センサがエッジ処理と超低消費電力の融合を実現し、次世代の産業用スマートセンサの基準を確立する」と述べています。
実用的な应用例
IIS2DULPXの強力な機能により、輸送中のアセットや商品のトラッキングが可能になりました。STの機械学習コア(MLC)がアセットの運搬中、落下や衝撃を感知し、サプライチェーンのプロセスを最適化することができます。この技術は、企業が機器のバッテリ寿命を長く保つためにも非常に重要です。
さらに、ロボットアームや産業機器に装着した場合、過剰な振動や衝撃を検知できます。これにより、企業は小型かつ省電力なセンサを利用し、長時間稼働するデバイスを簡単に構築できます。これによって、古い機器でも容易にデータ収集が行えるようになり、デジタルトランスフォーメーションが促進されるのです。
Treon社による活用事例
早期の顧客であるTreon社は、IIS2DULPXを活用したワイヤレス状態モニタリングシステム「Treon Industrial Node X」を開発しました。同社のCEO、ジョニ・コルピ氏は、超低消費電力とインテリジェンス組込みにより、製品ライフサイクルに対する要件を全て満たすことができるとコメントしています。
Treon Industrial Node Xは、常時モニタリングを行い、振動レベルの変化を検知することで効率的な運用を実現します。また、STの振動センサ「IIS3DWB」と連携し、さらなる精度向上を図ります。
スマートな安全対策
産業用安全ヘルメットなどの携帯型ヘルスケア機器においても、IIS2DULPXはその能力を発揮します。ヘルメットに組み込むことで、装着状態や衝撃を察知し、事故を防止できます。これにより、社員の安全性が向上し、迅速な支援が可能となります。
まとめ
IIS2DULPXは、半導体工場でのロボットアームの動作監視や、高精度な常時モニタリングをメンテナンスなしで実現します。STは、カーボンニュートラルの取り組みを進めており、その高い技術力で持続可能な社会の実現に寄与しています。
IIS2DULPXは現在使用可能で、価格は1000個注文時に約1.57ドルです。詳細はSTマイクロエレクトロニクスのウェブサイトにてご確認ください。