春の新生活が引き起こすSNSアカウント削除の傾向とは？

SNS疲れの現状

近年、SNSは私たちの日常生活の一部となり、欠かせないツールとして機能しています。しかし、SNSの普及と同時に、「SNS疲れ」という言葉が広まりつつあります。特に、日本においては、その影響が顕在化しているとの調査結果が出ています。個人向けセキュリティサービスを提供するNordVPNが実施した調査によると、SNSのアカウント削除が顕著になってきている理由として、個人情報の流出やトラブルを心配する声が多く寄せられています。

この現象は、日本国内では特に顕著で、2023年時点でのSNS利用者数はなんと1億580万人に達しています。さらには、2028年には1億1,360万人に拡大する見込みで、SNSの影響力はますます強まるとされています。しかし、その裏にはセキュリティリスクへの懸念が潜んでいるのです。

調査の概要

NordVPNが行ったSNSアカウント削除に関する調査は、2024年3月から2025年3月までを対象にしたGoogle検索データに基づいています。検索分析対象は、Instagram、X、TikTok、LinkedIn、YouTube、Tinderなど、主要なSNSにおける「アカウント削除」に関連するキーワードです。この調査からは、SNSアカウント削除に関する関心が新生活のタイミングで急増することがわかりました。

新生活でのアカウント削除に関心が集中

調査結果では、特に3月にSNSアカウント削除に関する検索が急増しています。LinkedIn（+38.7%）、X（+28.1%）、TikTok（+22.7%）、Instagram（+20.0%）、YouTube（+19.0%）といった増加率が見られ、新生活や新年度のスタートを機にSNSの利用を見直そうとする人が多いことが浮き彫りになっています。あるいは、自分のデジタル環境を整理し、不要なアカウントを手放すことで、気持ちを新たにしたいと感じている人が多いのでしょう。

年末年始もデジタルデトックスの時期

また、1月にはInstagramやFacebookでのアカウント削除に関する検索も微増し、多くの人が新年の目標やデジタルデトックスを意識して、SNSの利用を見直す時期となっているようです。このように、SNSから距離を置く傾向は、特に生活の節目となる時期に多く見られます。

アカウント削除の理由

SNSのアカウント削除が求められる理由は、主に二つに分けられます。一つは「生活のリセットニーズ」です。新生活や新年度にあたり、人間関係や過去の投稿を見直し、自分を整理したいという感情があります。もう一つは「セキュリティやプライバシーへの不安」で、個人情報の悪用や投稿が引き起こすトラブルへの懸念が強いのです。

SNSを安全に利用するための対策

NordVPNの技術責任者マリユス・ブリエディス氏は、SNSをより安全に利用するための対策を提案しています。以下の5つのポイントが重要です。

1. 使わなくなったアカウントの削除
不要なSNSアカウントは削除し、個人情報が残らないようにする。

2. 投稿前の確認
個人情報が含まれていないかを事前に確認することが重要。

3. 過剰な個人情報の入力を避ける
アカウント作成時に必要以上の情報を登録しない。

4. プライバシー規約の見直し
定期的にプライバシー設定を確認する習慣をつける。

5. 安全なインターネット接続の使用
公共Wi-Fiは避け、VPNを利用して通信を暗号化する。

まとめ

SNSのアカウント削除は、単なる衝動ではなく、意識的な見直しとして捉えられている傾向があります。NordVPNの調査を通じて、新生活や年末年始などの節目に自らのSNS利用を見直す動きが活発化していることが浮き彫りになりました。私たちの生活に浸透するSNSですが、そこでのプライバシーや時間管理を意識することも、今後のデジタルライフをより良いものにするでしょう。