肥後銀行がAI「bellSalesAI」を導入し大幅な業務効率化
肥後銀行は、ベルフェイスが提供するAIサービス「bellSalesAI」を導入し、預り資産に関する面談記録業務の効率化を図っています。この取り組みは、顧客との面談記録の品質と業務効率を両立させることを目的にしており、特に金融商品取引法に基づく正確な記録が求められる中で、様々な業務課題の解決を目指しています。
1. 導入背景と課題
金融商品取引法などに従う形での面談記録は、正確性や保存性が必須です。しかし、現状の記録方法は手作業や音声入力を使用しており、担当者による修正が必要なため、どうしても作業の負担が増していました。同時に、CRMとの統合がスムーズでないことから、事務作業の効率も悪化していました。このような現状を打開すべく、AIを活用した新たな業務フローが求められたのです。
2. bellSalesAIの特徴
「bellSalesAI」は営業担当者の商談情報をAIが自動抽出し、Salesforceへの入力を簡略化するサービスです。このシステムの最大の利点は、商談会話をリアルタイムで解析し、必要事項を2~3分で自動的に入力してくれる点です。これにより、担当者は煩雑な記録作業から解放され、客との対話に専念できるようになります。
3. 具体的な取り組み内容
肥後銀行は、2025年8月25日までに全営業店への「bellSalesAI」の展開を計画しており、まず本店から順次導入を進める予定です。対象業務としては、現在の預り資産業務をはじめとして、今後は法人向け融資業務やAIコンプライアンスチェックの導入も視野に入れています。顧客への正確な説明や理解度確認の精度を向上させ、業務時間を大幅に短縮することを目指します。
4. 実績と成果
実際にbellSalesAIを試行導入した結果、面談記録作成の時間が従来の60分から20分以下に減少しました。この効果により、担当者はお客様との会話に集中できるようになり、面談記録の精度も向上したとのことです。また、AIによる記録の整備が進むことで、表記のばらつきが解消され、全体の業務品質が底上げされています。
5. 売上向上への期待
今後、全店展開が完了すれば、営業活動の可視化と高度化が加速することが期待されます。ベルフェイスの中島 一明代表取締役は、この取り組みが国内でも先進的な事例となりえることを強調し、現場の価値創出につなげていく意向を示しています。
まとめ
このように、肥後銀行が「bellSalesAI」を導入することで、面談記録の作成における業務効率が向上し、品質も確保される新たなモデルが確立されつつあります。今後の全店展開に向けた取り組みにも注目が集まります。