EY JapanがAIを駆使したサステナビリティ経営支援を強化

EY Japanの新たな挑戦

EY Japan（東京都千代田区）は、経営支援サービスの強化を目的に、AI技術を駆使してサステナビリティ関連のリスクと機会の特定及びモニタリングの効率化を図っています。今回発表された取り組みは、データサイエンスとサステナビリティの専門家による独自開発のAIツールを活用しています。このツールは、企業が持続可能な事業活動を行う際に考慮すべき様々なESG（環境・社会・ガバナンス）課題を分析し、企業が直面するリスクを可視化することを目指しています。

サステナビリティへの対応が求められる背景

近年、企業はサステナビリティへの対応を求められるケースが増加しています。「サステナビリティ関連リスク・機会」とは、環境や社会、ガバナンスに関する問題から生じるリスクと、それを解決することで新たに得られるビジネスチャンスのことです。例えば、未対応の環境問題によりブランドイメージが損なわれたり、気候変動による事業損失のリスクが懸念されています。一方で、脱炭素技術や資源循環の進展は新たなビジネス機会を創出する可能性も秘めています。

企業はこれらのリスクと機会をしっかりと分析し、具体的な対応策を検討することが求められています。しかし、多くの情報を収集し重要な環境変化を見極めることは時間と労力を要し、難易度が高いのが現実です。このような状況でEY Japanは、AI技術を駆使してこのプロセスを効率化し、企業が競争力を維持し、持続可能な発展を実現できるよう支援することを目指しています。

AIツールによる新たなアプローチ

EY Japanが導入したAIツールは、企業のサステナビリティ経営を強化するために設計されています。具体的には、以下の機能があります。

1. サステナビリティリスク機会ファインダー
クライアントが特定すべきリスクや機会を国際的な開示基準に基づいて自動的に収集します。

2. サステナビリティ情報モニタリング
関連する動向をAIがモニタリングし、クライアントに定期的にアラートを提供します。

これらの機能により、EY Japanのクライアントは情報収集にかける時間を大幅に削減し、より戦略的な業務に注力できる環境が整うのです。AIによる効率的な情報集約は、これまで人間では収集しきれなかった情報の網羅的な分析を実現します。この結果、企業はより正確な意思決定を行うことが可能になります。

将来への展望

EY Japanは、今後クライアント自身がAIツールを利用して情報収集や分析を行えるようプラットフォームの提供も検討しています。この仕組みを通じて、企業がサステナビリティ関連のリスクと機会をタイムリーに把握し、戦略的な意思決定ができるようになることを目指しています。実行にあたっては、高度な専門知識が求められる部分は引き続きEY Japanがサポートする形となります。

専門家の声

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社のサステナビリティ室室長である尾山耕一氏は、「サステナビリティ経営は事業部門全体の協力が重要であり、リスクと機会の特定が不可欠です。AIの導入は経営戦略を進化させる上で合理的な選択だ」と述べています。また、小林元氏は「情報の質と量を向上させることで、クライアントの意思決定レベルを引き上げていくことが私たちの目指すところだ」と語っています。さらに、川﨑武史氏は、AIを活用することで情報開示の透明性を高め、企業とステークホルダーとの信頼関係を強化することができるとしています。

EYについて

EYは、グローバルに展開するプロフェッショナルサービスネットワークであり、クライアントの成長と社会の発展に貢献することを目指しています。データとAI技術を駆使して、クライアントが未来に向けて確信を持って挑戦できる環境を提供していきます。EY Japanの新たなサステナビリティ経営支援の取り組みは、企業にとっての新たな価値創造をサポートする重要な一手となることでしょう。