IT業界に革命をもたらす「AIベテランエンジニア」
東京システムハウス株式会社が、COBOLシステム関連の課題を解決する新サービス「AIベテランエンジニア」を発表しました。このサービスは、高度なAI技術を用い、COBOLに精通したベテランエンジニアの業務をAIが代替します。従来、ベテランエンジニアの人的資源に依存していた部分をAIがサポートすることで、業務の効率化が期待されます。
COBOLとその背景
現在、COBOLは多くの社会インフラの基幹システムで使用されています。しかし、長年にわたる運用や技術者の引退、さらに若手技術者の不足も相まって、運用や保守に対する課題が増しています。特に、仕様書や設計書が整備されていないため、システムのブラックボックス化が進み、これがレガシーの脱却やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進にブレーキをかけていると言われています。
そうした問題意識から、「AIベテランエンジニア」が開発されました。具体的には、COBOLコードのアップロードを通じて自動的に仕様書を作成し、チャット形式での質疑応答により、コードの修正提案や不具合の調査を行うことができるのです。
具体的な機能
「AIベテランエンジニア」には、主に2つの機能があります。第一に、
仕様書作成システムがあります。このシステムでは、COBOLのコードをアップロードすることで、AIが自動的に仕様書を作成します。第二に、
質疑応答システムがあり、COBOLシステムに関する質問を受け付け、関連する仕様書を検索して適切な回答を行います。
これにより、企業の情報システム部門では、システムの維持・運用や改修の際の修正提案、不具合の原因調査などが効率的に行えるようになります。
企業への影響
「AIベテランエンジニア」の導入により、企業はCOBOLシステムにおけるブラックボックス化を解消し、保守運用の効率化を図り、さらに人手不足に対処することが期待されます。この技術は、単に問題を解決するだけではなく、ビジネス環境の変化に迅速に対応するための手助けにもなるでしょう。
また、このサービスは、これまでの「メインフレーム・マイグレーション・サービス(MMS)」の延長線上にあり、多数の実績を持つ東京システムハウスの技術力を背景にしています。
東京システムハウスの取り組み
東京システムハウスはシステム企画から開発、運用保守、マイグレーションサービスまで幅広く手掛ける独立系IT企業です。1976年の設立以来、業界知識とノウハウを活かし、AIやIoTを駆使した技術の開発にも積極的に取り組んでいます。うまく活用することで、企業の情報システムの進化を支援し、発展を促すことを目指しています。
今後も、東京システムハウスは「AIベテランエンジニア」を通じて、COBOLシステムの改善、保守、運用に寄与していくことでしょう。これにより、多くの企業が抱える技術者不足や保守運用の課題を乗り越え、DX推進にも貢献することが期待されています。