西オーストラリア州ロジャー・クック首相の初訪日
2023年10月、西オーストラリア州のロジャー・クック首相が日本を初訪問し、東京で行われた「西オーストラリア州 投資・貿易レセプション」に参加しました。この訪問は、両国間の貿易関係強化と今後の共同プロジェクトの可能性を探る重要な機会となりました。
貿易の枠組み
西オーストラリア州と日本の関係は1968年に始まり、今年で55周年を迎えます。この州は、2022-23年のデータによれば、日本に対して363億ドルの物品を輸出し、その中で鉄鉱石の50%以上、LNG(液化天然ガス)の30%以上が日本向けに輸出されています。日本は同州にとって第2位の貿易相手国であり、その重要性は年々高まっています。
エネルギー資源の役割
日豪経済合同委員会では、西村経産相が両国のサプライチェーン強靭化について言及した通り、西オーストラリア州は日本のエネルギー・資源に大きな役割を果たしています。首相はこのレセプションで、日本のカーボンニュートラル目標達成への貢献を強調し、今後の協力の範囲を広げる意向を示しました。
新たなビジネスチャンス
特に、バッテリーや重要鉱物、再生可能水素といったクリーンエネルギーの分野においては、さらなる投資機会が期待されています。西オーストラリア州の透明性のある規制環境も、プロジェクトがESG基準を満たすことを可能にし、国際的な投資家に安心感を与えています。
祝賀と未来の協力
訪問初日、クック首相はANAの井上社長と共に、パースへ向かう直行便の再運航を祝うイベントにも参加しました。この直行便は3年ぶりに復活し、観光業界にとっても大きな意味を持つものです。レセプションには約160名の主要なステークホルダーが集まり、相互の長年の貿易関係を祝いました。
政府間のさらなる話し合い
日本滞在中には、エネルギー・資源セミナーの開催や、経済産業省や外務省、国際協力銀行との意見交換が行われる予定です。これにより、経済関係のさらなる深化が見込まれています。クック首相は、「日本の産業界のステークホルダーと共に新たなビジネス機会を創出していきたい」とコメントし、両国の将来に期待を寄せています。
魅力ある西オーストラリア州
レセプションでは、観光促進キャンペーンとして「Western Australia It’s Like No Other」と「Walking On A Dream」が発表され、西オーストラリア州の魅力をより多くの人々に届けるための取り組みが継続しています。公式YouTubeチャンネルでは、これらのキャンペーンの映像も公開されています。
以上、西オーストラリア州の投資・貿易関係の強化に向けたクック首相の訪日がもたらす意義と今後の展望についてお伝えしました。