麻酔科改革:看護師の活躍
2024-06-27 20:07:05

麻酔科医の働き方改革:特定行為研修修了看護師の活躍が麻酔科医の負担軽減と医療の質向上に貢献

麻酔科医の働き方改革:特定行為研修修了看護師の活躍が麻酔科医の負担軽減と医療の質向上に貢献



社会医療法人近森会 近森病院(高知県高知市)では、医師の働き方改革を進めつつ、高度な医療水準を維持するために、特定行為研修修了看護師の活躍の場を広げる取り組みを進めています。

2015年10月から始まった特定行為研修制度は、医師が作成した手順書に基づき、看護師が患者さんの状態を判断し、適切なタイミングで特定行為(診療の補助)を行う制度です。この制度により、特定行為研修修了看護師は、医師の業務負担軽減やタスクシフトの推進に貢献する存在として期待されています。

近森病院では現在、30名の特定行為研修修了看護師が勤務しており、そのうち3名が「術中麻酔管理領域パッケージ」の特定行為研修を修了しています。2024年7月からは、この3名を従来の看護部から麻酔科に配属転換し、麻酔科医が直接マネジメントを行う体制を構築します。これにより、各症例に効率的に介入し、より緊密な連携が可能になります。

近森病院の麻酔科では、2021年から特定行為研修修了看護師によるタスクシフトを導入しており、麻酔管理など麻酔科医が担っていた業務の一部を特定行為研修修了看護師が行っています。2023年には、2960件の麻酔科管理症例のうち349件を特定行為研修修了看護師が医師とともに担当しました。特定行為研修修了看護師は、麻酔導入から手術開始、そして患者覚醒までの麻酔維持などを担当することで、医師の業務負担を軽減し、手術時間の短縮にも貢献しています。

特定行為研修修了看護師の配置により、現場では人的余裕が生まれ、1日に行える手術件数が増加しました。緊急手術にもスムーズに対応できる体制が整い、ハイリスク手術や高齢者手術が多い近森病院においても、タスクシフト導入後も安定して患者さんに医療を提供できています。

今回の配属転換により、特定行為研修修了看護師のさらなるスキルアップが期待されるとともに、医師の労働環境改善にもつながり、ワークライフバランスのとれた医師がより高度な医療に専念できる体制が構築されると期待されています。


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