200年以上の歴史を有する坂元のくろず
鹿児島県霧島市福山町で誕生した壺造り黒酢『坂元のくろず』は、江戸時代から続く伝統的な製法で作られています。2024年、令和6年の秋の仕込みが9月2日から始まりました。この古くからの製法を守り続ける坂元醸造株式会社は、熟練した職人によって丹精込めて仕込みが行われています。
仕込みの過程
9月2日から10月末までの期間、仕込み作業の取材が可能で、職人たちが実際にどのように作業を行うかを見ることができます。職人たちは、陶器の壺に厳選された米麹、蒸し米、そして地下水を丁寧に入れ、発酵を促します。
壺の中で完結する発酵のプロセス
『坂元のくろず』は、発酵から熟成まで全てがひとつの壺の中で行われる、独自の製法が特徴です。これにより、糖化から酢酸発酵に至るまでの一貫したプロセスを経て、他の米酢とは異なる深い味わいが生まれます。この製法は世界でも珍しいものであり、坂元のくろずを特別な存在にしています。
地域の恵み
霧島市福山町は、三方を山に囲まれた天然の温暖な気候が醸造に適しており、伝統的な職人技と地元の自然環境が相互に作用しています。職人たちは、自然の恵みを最大限に活かすため、太陽光エネルギーや微生物を用い、1年以上の長い時間をかけてじっくりと発酵・熟成を行うのです。彼らはそのプロセスのすべてを五感を駆使して管理しています。
名称の由来とその証
『坂元のくろず』という名前の由来は、1975年に坂元醸造が名づけたことに始まります。壺内で熟成することで色が濃くなることを反映したこの名前は、伝統的な黒酢の特徴を的確に表現しています。
2015年には、伝統的な製法とその品質が認められ、日本の地理的表示(GI)保護制度に登録されました。これにより『鹿児島の壺造り黒酢』として、その品質が公に保証され、GIマークの付与が可能となったのです。このマークは、他の製品と差別化される特別な証ともなっています。
今後の展望
坂元醸造では、令和6年秋の仕込みが始まり、多くの人々に愛される製品づくりに励んでいます。10月末までの仕込み中にも取材を受け付けており、興味がある方はぜひお問い合わせを。職人の技術と伝統が生み出す『坂元のくろず』は、今後も多くの人々に喜ばれることでしょう。
詳しい製造方法や研究についての情報は、坂元醸造のホームページをご覧いただくか、直接お問い合わせください。坂元銘醸の黒酢は、食卓を豊かに彩るアイテムとして、これからも皆様に親しまれていくことでしょう。