ホシデンが新しい高周波電流センサを発表
ホシデン株式会社は、2026年から提供を開始する「高周波電流センサ」(型番:HVE1481)を開発しました。このセンサは、高圧線の損傷予兆を高感度で検知することができ、工場などでの安全確保に貢献します。
開発の背景
近年、工場内に敷設されている高圧ケーブルや特別高圧ケーブルの老朽化が進み、これに伴う地絡や短絡事故が増加しています。絶縁が破壊されることで発生することがあるこれらの事故は、大規模な停電や火災を引き起こす要因となるため、事前の診断・検知が重要です。
この問題に対処するために、ホシデンは部分放電(PD)を利用した高圧ケーブルの劣化診断手法を取り入れました。一般的に、部分放電検出に用いられる高周波CT(HFCT)や高周波電流センサが普及し始めており、劣化状態の把握が求められています。
新しいセンサの特長
ホシデンの高周波電流センサHVE1481は、1MHzから100MHzの周波数帯域に対応しており、部分放電と周辺ノイズをしっかりと区別することが可能です。これにより、非常に微弱なパルス信号の検出が実現できます。従来型の高周波電流センサが室内利用を前提としていたのに対し、この新型センサはIP55の防水性を備えているため、屋外でも使用できるのが大きな魅力です。
主な特長
- - 部分放電に最適化された周波数帯域1MHz~100MHzをカバー。
- - クランプ式設計により、既存の設備への取り付けが簡単。
- - IP55の防護等級を有し、屋外環境でも安心して利用可能。
用途と用途例
主に高圧ケーブルの劣化が原因で発生する部分放電を検出するために設計されており、さまざまな工業用施設や発電所での使用が期待されます。これにより、劣化の早期発見が可能となり、事故防止につながります。
生産と販売の予定
ホシデンでは、2026年4月からサンプル販売を開始し、同年中に一般販売を行う計画です。月産数量は100個を見込んでおり、詳細な価格については別途お問い合わせにて案内されます。
- - 適用電流:~10Arms
- - 対応周波数:1MHz ~ 100MHz
- - 使用温度範囲:-10℃ ~ +75℃
- - 出力端子:BNC
- - 防水性:IP55相当
会社情報
ホシデン株式会社に問い合わせを希望する場合、以下の情報をご利用ください:
- - 所在地:〒581-0071 大阪府八尾市北久宝寺1-4-33
- - 電話番号:072-993-1010
- - 公式ウェブサイト:ホシデン株式会社
新たに登場する高周波電流センサによって、高圧ケーブルの安全性が確保され、製造現場における事故のリスクが低減することが期待されています。