2024年10月18日、東京都二子玉川にて「Age-Well Conference」が開催されました。このイベントは、超高齢社会における新たな価値を模索し、シニア世代の幸福を考える議論の場です。今年で3回目を迎える本カンファレンスには、企業、自治体、教育機関が集まり、各分野の専門家が登壇してシニア業界やウェルビーイング、そしてAge-Techについて講演を行いました。
次第の始まりは、Age-Well Design Labの辰巳裕亮所長の開会宣言です。オープニングでは、FIDA JAPANダンス健康クラブによる華やかなストリートダンスが披露され、会場は一層盛り上がりを見せました。
この日のテーマは「Age-WellをDesignするとは」ということで、さまざまな講演が行われました。最初にマイクを取ったのは、慶應義塾大学の前野隆司教授。教授は、長寿と幸福の関係を解説し、幸せに生きるための4つの因子について触れ、参加者に向けて人生100年時代をどう生きるかを提案しました。
続いて、神奈川県の黒岩祐治知事がその施策を紹介。食事、運動、そして地域活動などを通じた未病改善の取り組みが語られ、神奈川県が早くから超高齢社会に着目し、対策を進めていることが強調されました。
シニア世代の幸福をテーマにした講演では、BS朝日の平子傑氏が「銀のマルシェ」というコンセプトを紹介。シニア向けのイベント運営や、幸福感を高めるコンテンツ制作について語り、社会全体としてシニアを支える文化を育む必要性が説かれました。
また、ソフトバンクの高野快生氏が、同社のビジョンを基にした取り組みやAgeWellJapanとの連携を紹介。特に、参加型のセッションを通じて、情報革命を通じた人々の幸せの拡充を目指す意気込みが伝わりました。
サントリーウエルネスの磯田純氏は、健康行動を促進するアプリComadoの紹介を通じて、健康的な生活習慣を取り入れる新しい価値の創造について考察しました。参加者は、自身の健康を独自に管理する方法を学ぶことができたでしょう。
カンファレンスの中でも注目のイベントは「Age-Well Design Award」です。ここでは、シニア社会を活性化させるためのスタートアップ企業10社がアイデアを披露するピッチコンテストが行われました。各企業は、シニア向けのさまざまな事業に対する熱意と創造性を表現しました。
特に優れた提案を行った「うきはの宝株式会社」は、最高賞のAge-Well Design大賞を受賞した他、複数の賞を受賞する快挙を達成しました。審査員たちは、シニアを取り巻く課題に真正面から向き合った企業の姿勢に感銘を受けたとのことです。
最後の講演では、サントリーウエルネスが展開する「Beサポーターズ」プロジェクトの紹介が行われ、シニアが地域のJリーグクラブを応援する姿がフィーチャーされました。このプロジェクトは、地域密着型でシニアの社会参加を促す取り組みとして注目されています。
カンファレンスの締めくくりには表彰式が行われ、各賞の受賞者たちが壇上に上がりました。新たに設定された賞は、Age-WellをDesignする企業をさらに盛り上げる要素となっていくでしょう。参加者同士の懇親会も行われ、今後の連携を強化する素晴らしい機会が提供されました。
この「Age-Well Conference」は、高齢社会に向けた新たな価値創造の場として、多くの人々に影響を与える重要な機会であったと言えるでしょう。若年層から高齢者まで、誰もが心豊かに歳を重ねる社会の実現へ向け、今後も活動が続いていくことが期待されます。