共同研究で治療法開発
2022-04-27 09:00:04
大阪公立大学とセレイドセラピューティクスが低酸素性虚血性脳症の治療法を共同研究
大阪公立大学とセレイドセラピューティクスの共同研究
先日、セレイドセラピューティクス株式会社と公立大学法人大阪は、低酸素性虚血性脳症(HIE)の新たな治療法の開発に関する共同研究契約を締結しました。HIEは、生まれたばかりの赤ちゃんの脳への血流が遮断されることで引き起こされる症状で、現代においても一定数の赤ちゃんがこの状態で生まれています。この症状に対する効果的な治療法の確立が待たれています。
研究の背景
HIEは、出産時の様々な要因によって引き起こされ、脳神経細胞が低酸素・低血糖状態に陥ることが原因です。これにより重度の仮死状態に陥る赤ちゃんがいますが、その治療方法はまだ確立されていないのが現状です。そんな中、大阪公立大学とセレイドセラピューティクスは共同でこの問題に取り組むことになりました。
共同研究の目的
セレイドセラピューティクスは、臍帯血から採取したヒト造血幹細胞をEx Vivo(体外)で増幅し、モデル動物に移植することによって、その治療効果を検証します。この方法は、生命の初期段階における反応を理解し、HIEの治療に向けて有用なデータを提供することを目的としています。
大阪公立大学の取り組み
大阪公立大学の発達小児医学研究グループは、過去にもHIEを持つ重症仮死児に対する自己臍帯血幹細胞治療の研究に注力してきました。特に、2017年には第Ⅰ相試験の安全性を検証し、それを経て2020年からは第Ⅱ相試験に突入しています。これまでの研究成果とセレイドの技術を融合させることで、さらなる発展が期待されます。
共同研究の詳細
本研究の題目は「低酸素性虚血性脳症におけるEx Vivo増幅ヒト造血幹細胞の有効性検討」であり、共同研究の代表者は大阪公立大学医学研究科の濱崎考史教授です。研究期間は2022年4月から2023年3月までを予定しており、さらなる進展が望まれています。
セレイドセラピューティクスの役割
セレイドセラピューティクスの社長、荒川信行氏は、「この共同研究は当社の造血幹細胞の増幅技術を生かし、HIEに対する治療法を模索する重要な第一歩です」とコメントしています。会社は2020年に設立され、ヒトの造血幹細胞を利用した再生医療製品の研究開発を行っています。特に、血液がん治療の分野での革新を目指しています。
期待される成果
HIEに対する有効な治療法の開発は、赤ちゃんの健康的な成長に直結するため、両者の研究成果に期待が寄せられています。今後の進展が多くの家族に希望をもたらすことを願っています。
この研究が成功すれば、HIEだけでなく、他の脳の疾患に対しても新たな治療の可能性が広がるかもしれません。全ての赤ちゃんに無限の可能性があるため、このような取り組みは社会にとって重要な意味を持つのです。今後も注視していく必要があります。
会社情報
- 会社名
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セレイドセラピューティクス株式会社
- 住所
- 東京都文京区本郷7-3-1東京大学南研究棟アントレプレナーラボ
- 電話番号
-
050-3612-7767