東京大学発!AI時代に求められる「臨床の知」に迫る
2026年2月18日、東京大学と日本IBMの共同研究プロジェクト、コグニティブ・デザイニング・エクセレンス(CDE)による講義が一冊の本としてまとめられました。その名も『東京大学で考える 臨床思考の問題解決』。この本は、現代社会が直面する複雑で多様な課題に対する解決方法を探るための新たな視点、つまり「臨床の知」を学ぶための入門書です。
「臨床の知」とは?
「臨床の知」は、あいまいで多面的な問題に対処する能力を指します。科学技術が進化しているなかで、数値やデータだけでは解決できない問題が多く存在しています。格差や環境問題、心の不調など、こうした問題へのアプローチを可能にするのが「臨床の知」です。これは、情報を観察し、見立て、試行錯誤を繰り返しながら、さまざまな視点から問題に向き合う姿勢と言えるでしょう。
本書の特徴と内容
本書は、さまざまな領域の専門家や思想家による講義とディスカッションを収録しており、各章は講義のダイジェストと、参加者の視点からの追体験を交えた内容で構成されています。読者はまるでその場にいるかのような体験ができ、参加者の心の揺れや新たな気づきに触れることができます。また、講義には人文学的な視点からのアプローチや、アートからのインスピレーションまで多岐にわたる内容が網羅されています。
目次の紹介
書籍の目次は以下の通りです。
- - prologue
- - 監修者まえがき
- - 私たちがいま、もうひとつの知を必要とする背景
- - 私たちの9つの課題(姜尚中)
- - 条件付きの議論を疑う(福島智)
- - 禅的思考で格差を捉える(松山大耕)
- - 鮮やかさを持って課題を捉える(岸田奈美)
- - あたたかいおせっかいが今重要(サヘル・ローズ)
- - 考えるためのデザインを知る(長谷川愛)
- - 共に生きるための知(二木あい)
- - 見方を変えれば裏表が逆転(小渕祐介)
- - 循環させるアート(イワミズアサコ)
- - 余白とミニマリズム(武田伊左)
- - 数字と感性から労働を考える(伊藤亜紗)
- - 監修者あとがき
知のコラボレーション
本書には、東京大学の名誉教授である須藤修や中尾彰宏など、多彩なメンバーが監修を行っています。彼らは、AI時代における臨床思考的知性の重要性を認識し、社会が求める新たな知を育成しようとしています。この知を基に、我々は科学の力が及ばない領域でどのように考え、行動するかを模索することができるのです。
終わりに
『東京大学で考える 臨床思考の問題解決』は、AIや科学技術の進展がもたらす課題に対して、我々がどのように向き合い、どのような新たな視点を持つべきかを示してくれます。これからの時代に必要とされる「臨床の知」を学ぶための貴重な一冊として、多くの人に手に取っていただきたい作品です。