球磨焼酎復興の物語
2023-06-29 10:03:46

令和2年豪雨後の球磨焼酎復興物語と新たな挑戦

令和2年豪雨後の球磨焼酎復興物語



令和2年7月4日、熊本県を豪雨が襲ったこの日、渕田酒造本店は大きな被害を受けました。その結果、7代目の渕田嘉助氏の母である勝子さんが水害に遭い、悲しいことに命を落としました。これは単なる一地域の出来事ではなく、地域全体が抱える痛みでもありました。

再起の決意



氾濫した川の水が引いた後、嘉助氏は酒蔵に向かい、泥だらけの状態を目の当たりにしました。絶望的な状況の中で、彼は母と一緒に大切に醸した樽貯蔵の焼酎が無事だったことに気づきました。そのお酒を世に送り出すことが、母の思い出と自分たちの再起のシンボルとなることを強く願いました。

ただ、お酒を出荷するには法律の壁が立ちはだかります。焼酎の色合いが濃すぎると酒税法により出荷できなくなるため、嘉助氏は悩みました。そこで、彼の日頃からの協力者である松下醸造場の14代目、松下直揮氏が新たな提案を持ちかけます。「リキュールとして出荷することを考えてみてはどうでしょうか?」その提案を受け入れることで、彼らは一歩を踏み出しました。

新たな挑戦



焼酎のブレンド文化はあまり知られていませんが、松下氏の提案は新たな可能性を開きました。渕田酒造本店のシェリー樽と松下醸造場のシェリー樽をブレンドすることで、日本初の球磨焼酎のブレンド樽貯蔵が実現しました。このように、過去から現在、そして未来へと「つなぐ」プロジェクトが始まりました。

松下氏の祖母俊子さんと勝子さんも、昔からの交友関係があったため、それぞれの蔵元がつながりを持つことに心躍りました。母の思いを形にするこのプロジェクトは、地域の復興を願う強い意志が詰まっています。

時計の針



さらに、このプロジェクトには特別な意味があります。渕田酒造本店にある時計は、3年前の水害以来「7時16分」を指したままです。今回のプロジェクトの開始時間も同じ「7時16分」と設定されており、今後への希望と共に、新たな一歩を踏み出すシンボルとなります。

つながる思い



このプロジェクトのテーマは「つなぐ」です。

1. 先代から受け継いだ酒を過去から現在、未来へと「つなぐ」。
2. 水害から復興への道を共に歩む人々を「つなぐ」。

この物語は、ただの焼酎の復興物語ではなく、人と人がつながり、地域全体が一丸となって復興を目指す壮大な物語なのです。

商品紹介



1. 繋(つなぐ) アルコール度数35度 7000円(税込)
- 渕田酒造本店の8年貯蔵シェリー樽と松下醸造場の7年貯蔵シェリー樽をブレンド。

2. 一勝地(仮) アルコール度数34度 6500円(税込)
- シェリー樽(マンサニージャ)にて8年貯蔵。

3. 水神蔵 アルコール度数35度 6000円(税込)
- 非常にまろやかで心地よい味わいが特徴。

各商品は100セット限定で販売され、通常より10%の割引があります。この特別な焼酎を通じて、復興の象徴となることを願っています。

プロジェクト詳細



詳細は「西日本新聞WESTART」まで。ここから新たなスタートを切るきっかけとなることを期待しています。

会社情報

会社名
有限会社松下醸造場
住所
熊本県球磨郡水上村岩野2582
電話番号
0966-44-0010

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