NEDO、新たな洋上風力発電の取り組みを開始
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、グリーンイノベーション基金の一環として、浮体式洋上風力発電の低コスト化を目指す新たなプロジェクトを始めました。このプロジェクトは、洋上風力発電の導入拡大とコスト削減の両方に貢献することを狙いとしています。
プロジェクトの概要
このプロジェクトでは、浮体式洋上風力の「共通基盤開発」に関する1件の研究テーマが採択されました。NEDOは国内の企業を中心に協力体制を築き、国際基準の策定を視野に入れた取り組みを進めます。この基盤開発は、浮体システムの規格化、大量生産、さらには排他的経済水域(EEZ)への展開を目指す技術ガイドラインの整備を含みます。
グリーンイノベーション基金事業
この取り組みは、日本政府が2050年のカーボンニュートラル実現に向けて進めている「グリーンイノベーション基金事業」の一環です。2020年の宣言以降、経済産業省は2兆円を超える基金を設置し、企業の研究開発活動を10年計画で支援し続けています。
プロジェクトの背景
浮体式洋上風力発電に関するプロジェクトは、2021年からフェーズ1として始まり、4つの技術要素を重点的に開発しました。2024年度からは、これらの成果を元にした実証事業がスタートします。しかし、転換期にある洋上風力発電は、コストなどの課題があるため、様々な製造業者やエンジニアリング企業との密な連携が不可欠です。
逆風の中でもNEDOは、浮体式システムの標準化や大型深海への展開を計画し、各種技術の国際標準化にも取り組みます。これは、国内だけでなく、国際的な競争にも耐えうる日本の洋上風力産業を形成する上での大きな一歩となります。
実施内容
このプロジェクトの具体的な実施内容は以下の通りです。
1. 浮体システムの最適設計基準や規格化の開発
2. 浮体システムの大量生産技術の開発
3. 深海における係留やアンカー施工技術の開発
4. 深海での送電技術の開発
5. 遠洋での風況測定手法の開発
これらの施策を通じて、浮体式洋上風力発電の早期社会実装と日本全体の競争力を強化していくことが期待されています。
未来への展望
NEDOは、浮体式洋上風力におけるすべてのシステム要素を統合し、最適な設計を目指しています。そして、グローバル市場を意識した取り組みによって、洋上風力発電の新しい時代を築くことを目指しています。日本が持つ技術力を生かし、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて貢献していく姿勢が求められています。
これからの日本の洋上風力発電の発展が楽しみです。