株式会社土屋がカンパニー制を導入
介護業界の新たなモデルを模索する株式会社土屋(岡山県井原市)は、2024年11月1日からカンパニー制を導入します。この制度変更は、全国47都道府県で活動を展開する同社において、介護サービスの質を向上させることを目指しています。特に、障害をお持ちの方や高齢者に対してトータルケアを提供している土屋にとって、カンパニー制は業務の細分化や迅速な意思決定を実現する手段となります。
カンパニー制とは
カンパニー制は、企業内に独立した事業部門(カンパニー)を設立し、各部門に権限と責任を委譲する経営管理方法です。この制度により、各カンパニーは独自に損益計算や予算管理を行い、経営判断を下すことができます。各カンパニーのトップは、事業戦略の立案から業績管理まで幅広い責任を担うことになります。
導入の目的と狙い
カンパニー制を取り入れることで、各部門が市場と直接対峙し、顧客のニーズや市場環境に素早く応じられる体制を構築します。これまでの中央集権的な意思決定プロセスでは、重要な決定が時間を要することが課題でしたが、今後はスピード感を持って活動できるようになり、サービス提供の質を高めることが期待されています。
土屋の組織図には、土屋ホールディングスカンパニーの代表である高浜敏之氏や、副代表の笹嶋裕一氏が名を連ねています。また、土屋ケアサービスカンパニーの代表に小黒昭洋氏、土屋ケアカレッジカンパニーの代表に五十嵐憲幸氏が担当しています。この新しい体制は、各事業の役割を明確にし、効率的な業務運営を促進する役割を果たします。
新代表者へのインタビュー
新たにカンパニー制を担う代表者たちは、その期待と懸念を語りました。土屋ホールディングスカンパニーの副代表である笹嶋裕一氏は、意思決定のスピードの向上が実現すると説明しました。各カンパニーが迅速に行動できることは、市場の変化に敏感に対応することにつながります。一方で、コンプライアンスやガバナンスの確保を重要視し、問題が生じた際には明確に対応していく必要があるとも述べました。
土屋ケアカレッジカンパニーの代表、五十嵐憲幸氏は、この制度変更により教育事業へのリソース配分が行えるようになると期待を寄せています。全国に40の教室を展開していますが、「統合課程」などの資格取得を提供できる教室が半数に過ぎない現状に対し、リソースを集中させ教育の機会の格差解消に取り組む決意を語っていました。
介護業界の未来
カンパニー制の運用には慎重な判断が求められ、その結果として様々なメリットとデメリットが現れます。特に組織の細分化が進むことで、社員の成長機会が広がるといった期待が高まります。介護業界においては人材確保が課題となっているため、各カンパニー間での連携を保ちながら全体利益を考慮した評価基準の設計が重要だと考えています。
このように、株式会社土屋は新しい組織体制によってさらなる発展を目指し、利用者に寄り添った質の高い介護サービスを提供していく意向です。高浜社長が誇るプロフェッショナル集団は、難しい課題を乗り越え、より良いサービスを目指して日々邁進しています。今後の進展に期待が寄せられます。